研究領域 | Slow-to-Fast地震学 |
研究課題/領域番号 |
22H05294
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
椋平 祐輔 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (60723799)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | スロー自信 / 間隙水圧 / 室内実験 / 岩石実験 / AE / スロー地震 / レーザー変位計 |
研究開始時の研究の概要 |
地震は観測できるが,流体の地球物理的な観測は難しい。このことが,Slow-to-Fast地震の発生・発達の素過程に果たす流体の役割の理解を妨げている。模擬断層面を有する1辺600mm四方の試験片に対して,注水し流体のSlow-to-Fast地震への関与が明確に解明可能な室内岩石実験を行う。Slow地震を試験片断層面上に埋め込んだ歪みゲージより直接計測し,Fast地震を歪みゲージとAE計測で捉える。様々な流体分布条件・応力条件下での,Slow-to-Fast地震の素過程を実験的に明らかにする。
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研究実績の概要 |
初年度は,既存の注水機構を有するせん断滑り実験を実行し,実験ノウハウの蓄積に努めるとともに,前年度の結果のまとめを行った。これまでの実験機構では,AEはトリガ計測であり,連続的にAEを計測することができていなかった。このために,事後解析で様々な地震学的手法を用いてfast slipもしくはslow slipの信号を取得することができていなかった。よって初年度は,AEの連続計測が可能な計測システムを導入することに注力した。導入したAE計測システムの概要は下の通り。 AE計測: 載荷されていない面を利用してAE計測を行う。これにより,Fast地震に相当するせん断滑りを,歪みゲージでの計測よりさらに高い空間分解能で追跡できる。現状 は12チャンネル,16bit,2MHzトリガ計測が可能なAE計測システムを導入している が,同様の計測条件で連続収 録なシステムの導入を予定している。これで,より詳 細にFast地震の発生を計測することが可能になり,Slow-to-Fast地震への発展を高い解像度で追跡できる。 コロナ禍によるサプライチェーンの混乱の影響もあったが,上記計測条件を満たすAE計測システムを年度内に導入することができた。導入にあたっては,国内の様々なAEの研究者と議論を重ね,最先端かつ,簡便で取り回しのしやすいシステムを導入することができた。さらに,別系統で取得している歪み計測システムとの時間的な同期も取れるように工夫した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の目的であったAE計測システムの改良は,新たなAE連続計測システムを導入することでクリアできた。コロナ禍によるサプライチェーンの混乱により,システムの納入に少々の遅れが生じたため,AE連続計測システムを使用しての実験は叶わなかったが,以前行った実験のまとめはできた。
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今後の研究の推進方策 |
新たなAE連続計測システムをテストし,業者から納入される計測ソフトのテストを進めていく。 もちろん新たなAE連続計測システムを用いて以下の研究課題を進めていく。 研究課題:間隙水圧分布の有無でSlow地震の特徴は変わるのか?どう変わるのか? - 注水を行わない条件でSlow地震の特徴を確認し既往研究との整合性を確認する。 - 注水を行い間隙水圧分布条件で,Slow地震の発生の岩石力学的条件と,発生位置等を現象論的にまとめ,間隙水圧とSlow地震への影響を調べ る。 - せん断歪みの時空間変化より,速度・状態依存構成則的な解釈を行う。
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