研究領域 | 生物を陵駕する無細胞分子システムのボトムアップ構築学 |
研究課題/領域番号 |
22H05416
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅱ)
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
出羽 毅久 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70335082)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2023年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 光合成 / 光エネルギー変換 / 脂質二分子膜 / 光収穫系複合体 / リポソーム / 光重合性脂質 / エネルギー移動 |
研究開始時の研究の概要 |
光合成は太陽光エネルギーを化学エネルギーに変換する極めて効率の良いシステムであり、複数の膜タンパク質(光収穫系:LH、光化学反応中心:RC、酵素群)が光合成膜中で集合体構造を形成している。しかし、光合成膜を人工系で効率良くエネルギー変換に利用することはできない。本研究では、エネルギー生産に必要な構成要素(LH, RC, ユビキノン, 酵素)を重合性脂質からなるリポソームに組み込み、高効率な光エネルギー変換人工オルガネラを作成し駆動させる。本研究により、天然の光合成膜では不可能な高効率な水素発生人工オルガネラの構築を目指す。
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研究実績の概要 |
光合成の初期過程である光収穫ー電荷分離反応を人工系で駆動させ、光ー水素変換システムの構築を目指す。今年度は光収穫能の増強を目的とし、光重合したリン脂質(Diyne-PC)が紅色光合成細菌の光収穫系複合体2(LH2)に対してエネルギードナーとなるシステムの構築を行なった。固体薄膜状あるいは小胞状のDiyne-PCに対して、UV照射により光重合を行なった。光照射時間が長くなるにつれ溶液の色調が変化し、黄色から無色になると蛍光発色性となることが明らかとなった。光反応条件を最適化し、その分光学的特性を明らかにした。このように重合したDiyne-PC脂質が形成する脂質二分子膜中にLH2を再構成することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
紫外線照射による光重合性脂質の重合反応は従来低圧水銀ランプの254nmで反応が進行するが、水銀ランプの製造販売の世界的な制限により入手不可能となった。代わりにUV照射装置を導入したが、254nmの強度が極めて低く、反応を制御することに試行錯誤を要した。
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今後の研究の推進方策 |
光重合したDiyne-PC中への膜タンパク質の導入(再構成)効率を超遠心法により明らかにし、Diyne-PCの重合相からLH2へのエネルギー移動を調査する。 その後反応中心複合体のLH1-RCを同様にDiyne-PCに再構成し、LH1-RCの光触媒反応によるキノンからヒドロキノンへの変換反応を駆動させる。
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