研究領域 | 神経回路センサスに基づく適応機能の構築と遷移バイオメカニズム |
研究課題/領域番号 |
22H05496
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 明弘 京都大学, 医学研究科, 助教 (10741332)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
9,880千円 (直接経費: 7,600千円、間接経費: 2,280千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
|
キーワード | LTP / シナプス可塑性 / 学習 / 海馬 / CALI / 長期記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、記憶回路形成に必要なLTPの詳細な時空間情報の解明とそれに伴う遺伝子発現の網羅的な解析を目的とする。申請者は近年、脳内で誘導されるLTPの時間枠と場所を詳細に解析する光遺伝学的手法を開発した。本手法を用いることで、まず記憶に伴ってLTPが誘導される脳領域と時間枠を詳細に明らかにする。明らかにしたLTP時間枠の前後にける遺伝子発現の変化をRNAシークエンスによって検出し、学習回路の形成に必要な遺伝子発現を網羅的に解析する。さらに本光遺伝学によってLTPを特異的に解除された細胞のみを選別することで、LTPに重要な遺伝子発現を抽出することも試みる。
|
研究実績の概要 |
今年度は計画通り、学習後のLTPの時空間解析を行った。申請者が近年開発した光 遺伝学的手法を用いることで、学習後のLTPの時間枠を同定した。各脳領域にAAV を用いてCFL-SNを発現させ、学習タスク (Inhibitory avoidance test, IAテスト)を行った後に、光ファイバーを通して光を照射する。IAテストでは電気刺激により忌避記憶を形成させ、翌日に記憶を評価する。電気刺激の後、様々な時間に光を照射し、その翌日に記憶を評価した。記憶が消去されていた場合、光照射の時間枠でLTPが誘導されたと考えられる。 海馬のCA3, 歯状回、内嗅皮質、扁桃体、側坐核、前頭葉などで検討した。これにより、学習後に脳の広い領域で誘導されるLTPの時空間解析を行った。またこれらの領域においてLTPを担う細胞を観察するための顕微鏡の導入も行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
光遺伝学用いて、学習後に脳の広い領域で誘導されるLTPの時空間解析を行った。またこれらの領域においてLTPを担う細胞を観察するための顕微鏡の導入も行った。しかしRNAシーケンスなどはまだ準備段階にあり、実験系の設計を慎重に進めている段階である。来年度には実際に着手できると予想している。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、光遺伝学やカルシウムイメージングを用いて、学習後に脳の広い領域で誘導されるLTPの時空間解析を行う。またRNAシーケンス実験も最適な系を設計し実行する予定である。
|