研究領域 | 新興硫黄生物学が拓く生命原理変革 |
研究課題/領域番号 |
22H05564
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
村上 一馬 京都大学, 農学研究科, 准教授 (80571281)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | アプタマー / エクソソーム / 神経変性疾患 / 超硫黄 / 核酸医薬 / 国際共同研究 / ペプチド合成 / 診断薬 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の超硫黄分子を分析する手段は質量分析法が中心であるため,抗体等を用いた簡便な検出法の確立は本領域の更なる普及に欠かせない.しかし,硫黄は酸素に比べて分極誘導が起こりやすく原子半径が大きいことから,硫黄カテネーションに対する抗体は作製しにくい.そのような中,負電荷が多く,構造多様性が高い核酸アプタマーは本課題の打開策になる.本研究では,核酸プローブを用いて超硫黄化アミロイドを高感度検出する方法論の開発を目的としている.
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研究実績の概要 |
現在の超硫黄分子を分析する手段は質量分析法が中心であるため,特殊な分析機器を要しない抗体等を用いた検出法の確立は本領域の更なる普及に欠かせない.しかしながら,硫黄は酸素に比べて分極誘導が起こりやすく原子半径が大きいことから,直鎖状に連結した硫黄カテネーションに対する抗体は作製しにくいという課題がある.そのような中,負電荷が多く,構造多様性が高い核酸アプタマーは本課題の打開策になりうる.そこで,本研究は,凝集性アミロイドのトリスルフィドアナログに対するアプタマーを作成し,動物由来のエクソソームを用いて高感度検出系を開発することを目的としている.今年度は,トリスルフィドの安定配座を固定した超硫黄ミミックを化学合成した後,アプタマーの作成に着手した.またアプタマー結合駆動型の蛍光検出プローブを合成するとともに,エクソソームの取得および高感度検出系の構築に向けた準備実験を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,まずアプタマー作製用のモデルペプチド(アプタ抗原)を合成した.配列設計として目的アミロイドはCys残基を2つを有することから,この残基を含む配列でCysトリスルフィドの配座固定アナログを計画した.トリスルフィド前駆体を含むペンタペプチド誘導体をFmoc固相法で合成した後,N,N'-チオジフタルイミド処理によってトリスルフィド体を得た.経時的なHPLC分析より,得られたトリスルフィドは光にやや不安定であることがわかった.ビオチン標識を行った後,ストレプトアビジン標識磁性ビーズに結合させることで,アプタマーの探索用プローブとした.試験管内人工進化法を行ったが,結合核酸の顕著な濃縮はまだ起きていないので,今後実験をさらに進める.さらに,今年度は高感度検出系の構築のための準備実験として,アプタマー結合駆動型の蛍光検出プローブを合成した.モデルアプタマーを用いた検証において,アプタマーが標的分子に結合することで感度良く蛍光を発するシステムを96穴プレート上で構築し,今後のアプタマーによる超硫黄体の高感度検出に向けた道筋を示した.以上の理由より,おおむね順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
受給に関する重複制限によって,本研究課題を今年度で辞退した.
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