研究領域 | 新興硫黄生物学が拓く生命原理変革 |
研究課題/領域番号 |
22H05568
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
岡田 太 鳥取大学, 医学部, 教授 (00250423)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 活性硫黄分子種 / CARS2 / 炎症発癌 / 炎症細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子変異に基づく家族性(遺伝性)発癌を除き,発癌の大部分を占める「一般がん」は,遺伝毒性と細胞増殖に起因すると考えられている.両者を担う原因として,フリーラジカルの関与が古くより提唱されてきた.しかし,“活性硫黄分子種”がこれらフリーラジカルの抑制分子種として上方支配するだけでなく,普遍的な生命素子として生体機能を制御する実体が浮き彫りになるにつれ,“活性硫黄分子種”は,従来の“フリーラジカル発癌”を上方制御する真の発癌決定分子種となる可能性が出てきた.本研究は,これまでフリーラジカル発癌と明確な因果関係を示してきた“炎症発癌”モデルを用いて活性硫黄分子種の発癌に占める意義を決定する.
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研究実績の概要 |
代表研究者が独自に確立した炎症発癌モデル(Am J Pathol 2003; Int J Cancer 2007) を用いて活性硫黄分子種の炎症発癌に果たす意義の解明に関する研究を実施した.マウスはシステインtRNA合成酵素(cysteinyltRNA synthetase 2,CARS2)のヘテロノックアウトマウス(CARS2+/-)と対照としてWTマウスを用いた.ゼラチンスポンジを10×5×3 mmに細切した後にマウス皮下に移入し,その移入スポンジ内に10万個の退縮型マウス線維肉腫細胞(QR-32)を移植した.いずれの遺伝子型マウスも移植初期には全例で腫瘍増殖を開始し,その腫瘍増殖は移植後12日目まで継続した.しかし,移植後12日目以降を境にCARS2+/-マウスでは腫瘍の自然退縮が始まり34日目以降には全例で腫瘍退縮した.一方のWTマウスでは全例で致死増殖した.このCARS2+/-マウスにおける炎症発癌が生じない現象は,雌雄に差を認めずに共通して観察された.QR-32細胞を単独皮下移植したところ雌雄ならびに遺伝子型に関わらず全てのマウスで自然退縮した.移植後12日以前の腫瘍組織から免疫細胞・炎症細胞を回収し,表面マーカーによる細胞種の変化を解析した.その結果,WTマウスに比べてCARS2+/-マウスでは,CD8+T細胞への交差提示や細胞傷害性T細胞のプライミングを司るcDC1細胞と疲弊CD8T細胞の滲出数が減少していた.今後は,当初計画に従い腫瘍退縮前の腫瘍組織を用いて生体硫黄蛍光プローブ(SSP4)による還元的ポリスルフィドの検出と,脂質過酸化(4-HNE抗体),アミノ酸ニトロ化(ニトロチロシン抗体),核酸の酸化(8-OHdG抗体),ニトロ化(8-nitro-cGMP抗体)の免疫組織染色を施行して活性硫黄分子種の炎症発癌に占める意義の根拠を明らかにする予定である.
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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