研究領域 | 非ドメイン型バイオポリマーの生物学:生物の柔軟な機能獲得戦略 |
研究課題/領域番号 |
22H05585
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安原 崇哲 東京大学, アイソトープ総合センター, 特任講師 (90757056)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2023年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 核小体 / 凝集体 / ゲノム構造変換 / 遺伝子発現誘導 / RNA結合タンパク質 / 液―液相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
最近の研究で、核小体ストレスを与えると天然変性領域をもつRNA結合タンパク質がリボソームRNAに結合しながら液―液相分離によって集合し、核小体に巨大な凝集体を形成することが判明した。この凝集体の形成によって核内でのゲノム構造が変化していることが示唆されたことから、本研究では非ドメイン型バイオポリマーを中心として形成される核内構造体のストレス応答における機能をゲノム構造変換の観点から解明する。
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研究実績の概要 |
申請者の最近の研究で、核小体ストレス、特にリボソームRNAのプロセシングが阻害されると、TAF15/FUSやSFPQ/NONOのような天然変性領域をもつRNA結合タンパク質が、プロセシングされていないリボソームRNAに結合しながら液―液相分離によって集合し、核小体領域に巨大なスペックル(SPeckle formed At NuCLeoli; SPANCL)を形成することが判明した。SPANCLの形成とDNA損傷が同時に起こると染色体転座を高頻度で誘導したことから、SPANCLの形成によって核内でのゲノム構造が大きく変化していることが示唆された(Yasuhara et al. Molecular Cell 2022)。 ゲノム構造の変換が、遺伝子発現プロファイルの変換に必要であるとすれば、SPANCLの形成に伴って誘導されるゲノム構造の変換は、何らかの遺伝子発現プロファイルの変換を促しているのではないかと考えた。一般に核小体周辺はNAD(Nucleolus associated domain)と呼ばれる転写不活性化ゲノム領域が局在するとされており、SPANCLの形成に伴ってそれらの領域が核小体から離れていくことで、不活性化ゲノム領域を核小体周辺領域から解放し、低発現遺伝子群の発現活性化を可能にするゲノム構造変換が起こっているという仮説を立てた。 本研究では、「SPANCLが大規模なゲノム構造の変換を通して、遺伝子の発現プロファイルをダイナミックに変換している」という仮説を検証し、非ドメイン型バイオポリマーを中心として形成される核内構造体のストレス応答における機能を解明することを目的とした。今年度はインターフェロン応答におけるターゲット因子の発現パターンの変化や、SPANCLに集合する新規因子の同定を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シークエンス解析用のサンプリングのプロトコールを実験環境に合わせて改善中であり、サンプルの作成に時間がかかっている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きSPANCLの機能や新規因子に焦点を当てながら、ストレス応答における生理的意義の解明と、ツールとしての応用を視野に研究を進める。
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