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非ドメイン領域が組み替えるカスパーゼ反応場と, その非細胞死性の機能

公募研究

研究領域非ドメイン型バイオポリマーの生物学:生物の柔軟な機能獲得戦略
研究課題/領域番号 22H05586
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅲ)
研究機関東京大学

研究代表者

篠田 夏樹  東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (30838397)

研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
キーワードカスパーゼ / アポトーシス / Dual FRETイメージング / Caspase-7 / 形質膜 / ホスファチジルセリン / 死細胞貪食 / 非細胞死性の機能 / 近接依存性標識法 / TurboID / FRETイメージング
研究開始時の研究の概要

細胞死実行因子であるカスパーゼは, 細胞死を超えて多くの生理機能を発揮する. しかし, なぜカスパーゼが細胞死を回避しながら, その他の生理機能を発揮することができるのか, その分子機構の理解は不十分である. 本研究では, Caspase-7の5つのアイソフォームに着目し, 非ドメイン領域が組み替える反応場の解析を通して, 新規非細胞死性の生理機能の発見及び細胞を殺すことなく生理機能の発揮を可能とする分子基盤の解明を目指す.

研究実績の概要

本研究では, 2022年度に独自技術に基づき発見したアポトーシス時の形質膜での先立ったカスパーゼの活性化の分子基盤及び生理機能の解明を目指した. 2023年度は, 先立った活性化の責任カスパーゼを探索し, Caspase-7の5つのアイソフォームのうち2つがすることを見出した. また, アイソフォーム間の比較から, その責任領域がN末端に存在する非ドメイン領域であることを見出した. 当該領域はN末端側から, 負電荷アミノ酸クラスタ, カスパーゼ切断部位, 正電荷アミノ酸クラスタからなる. ここで, 先立った活性化に対して, 正電荷アミノ酸クラスタが必要であること, 負電荷アミノ酸クラスタが反対に抑制すること, カスパーゼによる切断が必要であることを発見した. 正電荷アミノ酸クラスタは, 負電荷脂質と相互作用しうる. そこで, 形質膜内層に存在する負電荷脂質ホスファチジルセリンをマスクしたところ, 先立った活性化が抑制された. 以上の結果から, Caspase-7非ドメイン領域と形質膜内層のホスファチジルセリンとの相互作用によって, 先立った活性化が駆動される可能性を示した. アポトーシス時にホスファチジルセリンは外層へと露出され, 貪食細胞に対しての"eat-me"シグナルとして機能する. ここで, 先立った活性化が消失した変異体細胞では, アポトーシス時のホスファチジルセリンの外層への露出及び貪食感受性が低下した. したがって, 先立った活性化はアポトーシス細胞の速やかな除去に寄与することを示唆する. 本研究は, カスパーゼの活性化が細胞内で順序立って制御されていること, その制御がカスパーゼ自身の非ドメイン領域に依存すること, さらに, 細胞内で順序立ったカスパーゼの活性化がアポトーシス細胞の死後の運命を制御することを発見したという点で意義のある研究である.

現在までの達成度 (段落)

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和5年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(2件)
  • 2023 実績報告書
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (14件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Caspase cleaves<i>Drosophila</i><scp>BubR1</scp>to modulate spindle assembly checkpoint function and lifespan of the organism2023

    • 著者名/発表者名
      Shinoda Natsuki、Horikoshi Misuzu、Taira Yusuke、Muramoto Masaya、Hirayama Shoshiro、Murata Shigeo、Miura Masayuki
    • 雑誌名

      The FEBS Journal

      巻: 290 号: 17 ページ: 4200-4223

    • DOI

      10.1111/febs.16811

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] カスパーゼは紡錘体チェックポイント構成因子BubR1を切断し, ショウジョウバエ個体の寿命を制限する2023

    • 著者名/発表者名
      篠田夏樹, 堀越水涼, 平雄介, 村本雅哉, 平山尚志郎, 村田茂穂, 三浦正幸
    • 学会等名
      第75回日本細胞生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Dual FRETシステムを基盤とした細胞内局所的カスパーゼ活性の解析2023

    • 著者名/発表者名
      平雄介, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • 学会等名
      第75回日本細胞生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] カスパーゼは紡錘体チェックポイント構成因子BubR1を切断し, ショウジョウバエ個体の寿命を制限する2023

    • 著者名/発表者名
      篠田夏樹, 堀越水涼, 平雄介, 村本雅哉, 平山尚志郎, 村田茂穂, 三浦正幸
    • 学会等名
      第31回日本Cell Death学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] カスパーゼ7が担う細胞膜局所的活性の制御2023

    • 著者名/発表者名
      平雄介, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • 学会等名
      第31回日本Cell Death学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] カスパーゼ活性を伴うプログラム「非」細胞死とその組織サイズ制御における機能の解析2023

    • 著者名/発表者名
      山本晃平, 村本雅哉, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • 学会等名
      第31回日本Cell Death学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] プログラムされた非細胞死性カスパーゼ活性化及びその組織サイズ制御における機能の解析2023

    • 著者名/発表者名
      山本晃平, 村本雅哉, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • 学会等名
      第56回日本発生生物学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] Caspase and its proximal proteins define local activating platforms for non-lethal functions2022

    • 著者名/発表者名
      Natsuki Shinoda
    • 学会等名
      The 2nd International Conference of Non-Lethal Roles of Cell Death Proteins
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 細胞内局所的カスパーゼ活性解析に向けたDual FRETシステムの構築2022

    • 著者名/発表者名
      平雄介, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • 学会等名
      第30回 日本Cell Death学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 生体膜に限局した非細胞死性カスパーゼ反応場の発見とその機能解析2022

    • 著者名/発表者名
      村本雅哉, 花輪望未, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • 学会等名
      第30回 日本Cell Death学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] ミトコンドリアマトリックスに存在するカスパーゼ活性の解析2022

    • 著者名/発表者名
      篠田夏樹, 三浦正幸
    • 学会等名
      第74回 日本細胞生物学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] アポトーシスにおける細胞内局所的カスパーゼ活性の解析2022

    • 著者名/発表者名
      平雄介, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • 学会等名
      第74回 日本細胞生物学会大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Proximal proteins define the caspase activation platform for non-apoptotic functions2022

    • 著者名/発表者名
      村本雅哉, 花輪望未, 篠田夏樹, 三浦正幸
    • 学会等名
      第15回 日本ショウジョウバエ学会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 非細胞死性の機能の発揮を可能とするカスパーゼ反応場の解析2022

    • 著者名/発表者名
      篠田夏樹
    • 学会等名
      第3回 細胞死コロキウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-06-20   更新日: 2024-12-25  

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