研究領域 | 非ドメイン型バイオポリマーの生物学:生物の柔軟な機能獲得戦略 |
研究課題/領域番号 |
22H05592
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅲ)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
西山 正章 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (50423562)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,360千円 (直接経費: 7,200千円、間接経費: 2,160千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 液-液相分離 / 発がん |
研究開始時の研究の概要 |
クロマチンリモデリング因子CHDは、1)エピゲノム制御分子である、2)がんの原因遺伝子である、ことがわかっている。申請者はこの2点に加え、今回CHDが相分離することを世界ではじめて発見した。これら3点から、『CHDの相分離は高次クロマチン構造を制御しており、相分離不全によるエピジェネティック異常が発がんの原因になる』と推定した。この仮説を証明するために、CHDの相分離機能を喪失した変異体を用いてCHD相分離が高次クロマチン構造維持にどのように関わるのかを特定し、発がんのメカニズムを解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
ゲノムDNAへのアクセスを制御するクロマチンダイナミクスは、細胞運命決定過程における遺伝子転写など、さまざまな核内プロセスにおいて重要な役割を果たしている。クロマチンリモデラーは、ヌクレオソーム内のヒストンとDNAの結合を変化させることにより、クロマチンの再編成を制御する。CHDはクロマチンリモデラーのCHDファミリーに属し、遺伝子転写の制御におけるその重要性が広範な研究によって明らかにされている。CHDは、活性化した遺伝子プロモーターに取り込まれ、そこでクロマチン構造を開いた状態に保ち、転写の開始と伸長の両方においてRNAポリメラーゼⅡの活性をサポートする。CHD遺伝子の機能不全や変異は、がんや神経発達障害と関連している。特に前立腺がんでは、約8-18%の症例でCHDの機能喪失が観察され、細胞状況に応じて遺伝子発現に広範な変化をもたらしている。しかしながら、CHDの異常ががんの発生に寄与する正確なメカニズムは、まだ部分的にしか解明されていない。 われわれは、CHDのC末端の天然変性領域(IDR)を欠損した切断型タンパク質を産生するE1321フレームシフト変異の詳細な解析を通して、クロマチンリモデラーで起こる相分離例を初めて発見した。この変異は、C末端のIDRを欠損したトランケーションタンパク質を産生する。このトランケーションは、凝縮特性の喪失をもたらし、転写および腫瘍形成におけるがん原性障害を伴っていた。近接ビオチン化により、CHDの縮重依存性インタラクトームは、新生RNA、ロングノンコーディングRNA、ヒストン修飾タンパク質から構成されていることが明らかになり、エピジェネティックな過程への多面的な関与が明らかになった。MLLヒストンリジンメチルトランスフェラーゼは、CHDコンデンセートに関連しており、CHDとの有意な共変異を示し、腫瘍形成における両者の協調的役割を示唆した。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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