公募研究
学術変革領域研究(A)
胎生の哺乳類の胚発生において、着床前胚は母体の環境や成熟度に応じて細胞周期と細胞分化の停止を伴う発生休止を起こすことで、出産時期の最適化を行っている。クマやシカ、カンガルーなどの着床前胚では、冬季や乾季などの育児に適さない時期の出生を避けるために、母体の環境に応じて、自らの発生を積極的に休止することで数ヶ月もの長期にわたって子宮内に浮遊し、着床時期を調節する。しかしながら、胚がどのような組織間コミュニケーションを介して、細胞周期と細胞分化を停止するのかは依然として不明なままである。そこで本研究では、予備実験結果で示した発生休止の競合的な細胞間コミュニケーションの詳細を明らかにする。