配分額 *注記 |
10,920千円 (直接経費: 8,400千円、間接経費: 2,520千円)
2023年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
|
研究実績の概要 |
細胞競合は細胞集団を均質化することにより組織の構造や機能を最適化する多細胞生命の自律性維持機構であるが、細胞競合に対する環境要因の影響についての知見は不十分である。特に、栄養状態は個体の置かれた状況や疾患により変動するため、栄養状態が細胞競合に及ぼす影響を理解することは、生命の自律性およびその破綻による疾患発症メカニズムの解明に重要である。本研究では、細胞競合の破綻に起因する疾患の代表例であるがんにおける、研究代表者が見出した新規グルコース感知システムであるポリオール経路の関与を検証する。 本年度は糖の過剰摂取によるRas, cskがん細胞の増殖および転移がポリオール経路の阻害により抑制されるかどうかを検証するために、ショウジョウバエ複眼原基にRas, csk, Sodh1, Sodh2変異をもつがん細胞クローンを作製するための系統の作製を試みた。Sodh1, Sodh2はポリオール経路の第二段階を制御するソルビトール脱水素酵素をコードし、Sodh1, Sodh2の二重変異によりポリオール経路を完全に遮断することができる。そこで、CRISPR/Cas9システムを用いて、csk変異を持つ第三染色体にSodh1, Sodh2変異の導入を試みたが、csk, Sodh1, Sodh2変異を同時に持つ系統は作製できなかった。そこで、代替としてcsk null変異の代わりにcsk RNAiを導入した系統、Sodh1, Sodh2変異の代わりにSodh1, Sodh2 RNAiを導入した系統を作製した。これらの系統を用いて、現在解析を行っている。
|