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バイモーダルな感覚器官を使い分けるイルカの共同採餌行動

公募研究

研究領域サイバー・フィジカル空間を融合した階層的生物ナビゲーション
研究課題/領域番号 22H05651
研究種目

学術変革領域研究(A)

配分区分補助金
審査区分 学術変革領域研究区分(Ⅳ)
研究機関三重大学

研究代表者

森阪 匡通  三重大学, 生物資源学研究科, 教授 (00422923)

研究期間 (年度) 2022-06-16 – 2024-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
キーワードイルカ / エコーロケーション / 共同採餌 / 視覚 / バイモーダル / カマイルカ / 聴覚 / ナビゲーション
研究開始時の研究の概要

群集性の動物を群れで共同して捕食する動的で複雑な現象を総合的に理解するには,捕食者,被食者双方の様々な階層におけるナビゲーションおよびインターラクションを知り,それらを統合する必要がある.私たちヒトとは全く異なる感覚により駆動される場合,その感覚の使い分けも重要な要因となる.本研究では,海洋における高次捕食者であり,高い社会性を有するイルカ(小型ハクジラ類)の行う共同採餌の総合的理解を目指し,この2年間においては,イルカの感覚器官の使い分け(エコーロケーションと視覚)の飼育下での詳細な研究と野生下でのイルカの群集性魚類の捕食行動の行動学的記載,という両方向から研究を行う.

研究実績の概要

本研究は,海洋の高次捕食者であり,聴覚(反響定位)と視覚の両方を用いるイルカの行う,群集性魚類の共同採餌を総合的に理解することを最終目標としている.捕食者・被食者双方の群れのナビゲーション・インターラクションが複雑に絡み合う共同採餌などの現象を紐解くには,単純化したモデルから現象に沿うように複雑化していくボトムアップ型研究と,複雑な現象を複雑なまま捉え,現象の変動がどのような要因で起こるのかを読み解くことにより,その現象を要素に落とし込むトップダウン型の両軸からの研究が重要である.本研究では,捕食者側の戦略を取り上げ,ボトムアップ型研究として,イルカの感覚器官(聴覚(反響定位)と視覚)の使い分けについての飼育下での詳細な研究を,そしてトップダウン型研究として野生下でのイルカの群集性魚類の捕食行動の行動学的記載を行う.
初年度の令和4年度は,ボトムアップ型研究・トップダウン型研究ともに準備がメインとなった.ボトムアップ型研究においては,まず小型カメラの選定を行った. また,かごしま水族館と共同研究をすることが決まり,実際にそのカメラでイルカの目を撮影できることを確認した.イルカに取り付ける吸盤,治具,カメラ一体となったシステムを,水族館職員の方に確認していただきながら作成中である.
一方,トップダウン型研究については,令和5年5月に始める現地調査のために,高度ごとのカメラのキャリブレーションを行った.また,船上からカマイルカの背びれ写真を撮影し,その当該個体の体のサイズをドローンで測定するため,ドローンとカメラの個体の同定方法について試行錯誤を続けている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和4年度は予定ではボトムアップ型研究のみ行い,トップダウン型研究は令和5年度に行う予定であったが,トップダウン型研究を実際にフィールドで行う日程が令和5年5,6月であり,令和4年度から準備を進めておく方が良いと判断し,両方を並行して行うこととした.一方で,ボトムアップ型研究については,小型カメラ選定がなかなか進まなかったが,共同研究としてかごしま水族館に受け入れを許可していただいた.さらに選定したカメラで実際に対象個体の目を様々な角度から撮影を試み,このカメラが十分な性能を持つことがわかったため,実際にイルカに装着するための治具を作成中である.次の訪問で,実際に撮影を試みたいと考えている.このように,一部は少し遅れているが,一部は前倒しで研究が進んでいるため,全体としておおむね計画通りに進んでいると言える.

今後の研究の推進方策

令和5年度は,まず,5月~6月の陸奥湾へのカマイルカ来遊時期に合わせて,トップダウン型研究を行う.つまり,ドローンでカマイルカの採餌行動を撮影しながら,船上からカマイルカの背びれを撮影する.確実にどの個体だったかを特定するために,カメラ内臓のコンパス,GPS情報とドローン情報,そして船を写しこむ.また,適宜音も収録する.船舶を使わない時間にドローンのみでカマイルカを追跡する.
一方,ボトムアップ型研究については,まずは視覚のみ収録できるシステムを完成させ,実際に水族館にて装着,録画を試みる.おそらく何度か改良を重ね,ずれないシステムを完成させた後,音響データロガーもそこに装着する.イルカの安全にも関わることから,水族館職員との綿密な打ち合わせも並行して進める.その後,これを用い,水族館にて上方から全体が写る広角カメラ(GoPro)を設置し,単独遊泳状態での,自由遊泳,遊具投入,通常の餌投入,生餌投入時の目と音の使い分けを調べる(物体の探索,注意).また複数個体と自由遊泳時の,他個体との位置関係および目と音の使用について調べる(他個体とのコミュニケーション).さらに同期が必要な共同ジャンプ場面での他個体とのタイミングの合わせ方について調べる(同調のメカニズム).

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 背びれ形状を用いたカマイルカの成熟オス判別法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      村山夏紀,森阪匡通,森朋子,神田幸司,柿本武,清水崇,松本輝代,藤田えみ,竹鼻瞭,西本周平,吉岡基
    • 学会等名
      令和5年度日本水産学会春季大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-06-20   更新日: 2023-12-25  

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