研究領域 | サイバー・フィジカル空間を融合した階層的生物ナビゲーション |
研究課題/領域番号 |
22H05655
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
櫻間 一徳 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (10377020)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2023年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 群行動 / 群論 / モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,生物の高度な群行動の発現メカニズムを包括的に理解できる数理モデルを構築するためのモデリング技術を開発し,そのモデルに基づいて実世界における生物の群行動のメカニズムを解明,それを工学応用することである.そのため,グループを基にしたハイパーグラフおよび数学の群論における不変性を用いた数理モデルを採用する.生物の行動データからモデルを構築する方法として,複数の群作用に不変なモデル関数による選択的アプローチと,ニューラルネットワークで関数近似し不変性を導出するデータ科学的アプローチの二つを提案する.本研究成果は,生物学・データ科学・工学などの幅広い分野に波及することが期待される.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,生物の高度な群行動の発現メカニズムを包括的に理解できる数理モデルを構築するモデリング技術を開発することである.生物の行動データからこのようなモデルを構築することができれば,生物の階層ナビゲーションや意思決定などを含む様々な群行動の発現メカニズムを解明できるとともに,生物の機能を模した工学技術(避難誘導・車両やドローンの群制御など)にも活かすことができる. 本年度は,データに基づいて生物の高度な群行動を説明できる,汎用的な数理モデルを構築するモデリング技術を開発した.具体的には,群れの移動軌跡のデータを入力とするニューラルネットワークによってモデルを学習し,そのモデルのパラメータから群れの種別(生物の種やロボットの制御法)を分類する方法を提案した.モデルのニューラルネットワークとして,個体同士のインタラクションをワンパラメータの非線形関数で表し,その和を取る構造にした.これによって,群れにおける個体数やナンバリングに依存せずにモデルを作成し,群れの種別を分類できるような新しいニューラルネットワークの構造と学習手順を示した.提案法を4種類の群れに適用して,良好な分類結果が得られることを確認した. 次に,来年度実施する項目の事前準備として,大量のサンプル数のデータに対してニューラルネットワークの深層学習を行うための高性能な計算機を準備した.さらにドローンを購入して実験の準備を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画していたモデリング手法を開発し,計算機と実験の準備が出来た.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,本技術を通じて実世界の様々な生物の行動データからモデルを構築することで,群行動を包括的に理解し,根本的な発現メカニズムを解明することを目指す.そのため,提案アプローチを実際の生物の群行動のデータに適用し,そのメカニズムを解明する.より包括的な解明のため,鳥・魚・人などのできるだけ多くの種類の様々な行動に関する生物の群れのデータを解析する.本項目はA01フィジカル班メンバーと連携することで,実施する.
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