研究領域 | サイバー・フィジカル空間を融合した階層的生物ナビゲーション |
研究課題/領域番号 |
22H05666
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
森岡 博史 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 研究員 (20739552)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2023年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 機械学習 / 教師なし表現学習 / 非線形階層モデル / 因果探索 / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は生物の集団移動(ナビゲーション)の背後にある複雑な階層的メカニズムの,情報科学的な解明を目的とする.生物の集団移動は様々なスケールの生物群において観測されるが,それらは複雑・高次元な階層的構造をもち,その原理の解明は困難であった.本研究では,そのような生物集団移動から観測される時系列データからの,その階層的非線形ダイナミクスと,その背後にある潜在因子や価値関数,それらの間の因果構造などのデータ駆動的な推定を目指す.そのような階層的な潜在構造の推定により,生物の高度な集団ナビゲーションがどのように実現されているのか,その真のモデルに迫ることが可能になると期待される.
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研究実績の概要 |
本研究は生物の集団移動(ナビゲーション)の背後にある複雑な階層的メカニズムの,情報科学的な解明を目的とし,そのために機械学習に基づく新たな教師なし階層表現学習法を開発することで挑戦するものである. 本年度は主に,研究実施計画における「非線形階層性ダイナミクスと,隠れた潜在因子・因果構造の推定法の開発」を目指し,そのための要素技術となる,多次元因果構造の推定法の開発に従事した.提案法は各ノードが多次元な観測情報を持つネットワークデータを想定したものであり,特に変数間に未知の混合が加わっている際に,それをデータ駆動的に脱混合することにより,その背後にある本来の多次元因果構造の推定を可能とするものである.そのように非線形混合の存在を陽に考慮することにより,従来では困難だった多次元センサネットワークからの因果探索が可能になる.また,新たな推定法として自己教師学習に基づくものを提案しており,従来法よりも効率的に学習可能である.提案法の有効性を示すため,人工的に生成した遺伝子制御ネットワークデータに適用した結果,従来法よりも高い精度で背後にある因果構造が推定できることが示された.これらの結果は複数の動物(動物群)から計測されたデータログを解析する上でも重要な要素であり,本研究を遂行する上で重要な足がかりとなる.なお,提案法は動物群計測データのみでなく様々な多次元ネットワークデータに適用可能であり,幅広い応用が期待される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は主に,研究実施計画における「非線形階層性ダイナミクスと,隠れた潜在因子・因果構造の推定法の開発」を目指し,そのための要素技術となる,多次元因果構造の推定法の開発に従事した.提案法により,生物群から計測された多次元計測データから,個体間の依存関係などを推定可能になると期待される.ここで得られた成果は査読付き国際会議にて発表した.以上を総合して,生物の集団移動の背後にある複雑な階層的メカニズムの情報科学的な解明に向けた研究を順調に進められたと考える.
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今後の研究の推進方策 |
次年度は引き続き「非線形階層性ダイナミクスと,隠れた潜在因子・因果構造の推定法の開発」に従事するのに加え,次の段階である「潜在因子を生成する集団価値関数の推定.それに基づく介入・制御の可能性の検討」を進める.本年度で提案した手法は多次元ネットワークデータの背後にある多次元因果構造を観測データからデータ駆動的に推定する手法であり,個体間の依存関係の理解に役立つことが期待されるが,そのような依存関係がどのように与えられ,群れ形成に役立っているのかまでは理解できない.そのため次年度では,因果構造に非定常性を与えていると考えられる集団としての価値関数の同時推定を目指すことで,動物の群れ行動の統一的な理解を目指す.また,提案法は実際に動物群から計測されたデータに適用することで評価を目指す.
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