公募研究
学術変革領域研究(A)
遊泳性藻類の多くは光走性を示すが、その生理的意義に関する明確な説明はない。我々はモデル真核藻類である緑藻クラミドモナスを用いて、この謎を解く鍵となる現象「同一光条件下でも、時間を追うごとに光走性の正と負は変動すること」「これが細胞内の活性酸素種(ROS)量の変動とリンクしているらしいこと」を見出した。不思議なことに、クラミドモナスは細胞内ROS量が多いときに正の光走性(つまり、ROS発生量がより高くなる環境への移動)を示す。これは一見すると自殺行為にも見える。本研究では、光走性の意義を、野外光環境を模したジオラマ培養条件下での光走性実験によって検証する。
遊泳性藻類の多くは光走性を示すが、その生理的意義に関する明確な説明はない。我々はモデル真核藻類である緑藻クラミドモナスを用いて、この謎を解く鍵となる現象「同一光条件下でも、時間を追うごとに光走性の正と負は変動すること」「これが細胞内の活性酸素種(ROS)量の変動とリンクしているらしいこと」を見出した。不思議なことに、クラミドモナスは細胞内ROS量が多いときに正の光走性(つまり、ROS発生量がより高くなる環境への移動)を示す。これは一見すると自殺行為にも見える。本研究では、光走性の意義を、野外光環境を模したジオラマ培養条件下での光走性実験によって検証する。令和4年度は、予定通りに「夏の野外の日差し」に匹敵する約2000μmol photons m-2 s-1の強度の光環境を実験室内に構築することができた。これを用いた光走性の意義の検証実験系を組む予定であったが、途中、クラミドモナス培養インキュベーターの故障があり、実験が滞ってしまった。そのため繰越を申請して受理された。令和5年度は、インキュベーターの修理後、上記の光源を用いてクラミドモナスの光走性と生残性を同時に検証する系を立ち上げたところ、強光量による熱の影響が大きく、水フィルターなどを駆使して予備的な結果を得られるまでになった。その結果、日陰なしの条件下での野生株の死亡率がそこまで低くないことが判明し、このままでは死亡率によって光走性の重要性を検討することが困難であることがわかった。
3: やや遅れている
機器故障、研究計画責任者の大学移籍による実験系の再設定など予定外の事が生じ、やや遅れている。
生残性判定実験系を確立しつつあるため、これを光走性異常株に適用する。また、進行中の新規光走性異常株の原因遺伝子解析を予定通り終了させる。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 8件) 学会発表 (30件) (うち国際学会 6件、 招待講演 1件) 図書 (2件)
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