研究領域 | デジタルバイオスフェア:地球環境を守るための統合生物圏科学 |
研究課題/領域番号 |
22H05709
|
研究種目 |
学術変革領域研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田中 健太 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80512467)
|
研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | 森林 / 草原 / 遺伝資源 / 植物共生微生物 / 経済価値 |
研究開始時の研究の概要 |
植物共生微生物に着目することで、特定の地域生態系内に何種の微生物が生息し、何円の遺伝資源価値があるのか、世界で初めて地域レベルで可視化することに挑む。長野県・菅平高原の森林・草原で、様々な季節・多地点で、多種植物の葉・枯葉・根からDNAメタバーコーディングで真菌・細菌を網羅的に検出する。ホスト植物種・植物器官・空間距離・環境要因や景観指標が微生物群集の異質性に与える効果を定量してモデル化することで、調査地内の微生物多様性を地域全体に外挿する。また、検出された共生微生物一部の抗微生物活性を実測し、既知パラメーターを組み込むことで、地域の微生物多様性が潜在的に持つ遺伝資源価値(円)を算定する。
|
研究実績の概要 |
長野県・菅平高原(約45km2)を対象地域とした。この地域内でスキー場の草原及びそこに隣接する森林の計18地点を選定した。草原・森林の維管束植物200種以上を対象に5器官(根圏土壌・根・枯葉・葉・繁殖器官)の採集を行った(計約1000サンプル)。真菌はITSプライマー、細菌は16Sプライマーを用いて次世代シーケンサー MiSeq(イルミナ社) によるDNAメタバーコーディングを行う準備を進めた。調査地点には1×20 mのトランセクトを設置し、出現する維管束植物種と環境要因(地形・pH・地質)を記録した。これらの植物から25の真菌株を分離培養して2種の培地を用いて発酵生産を行い、検定生物として真菌2種・細菌4種に発酵生産物を供試して抗微生物活性を評価することができた。遺伝資源価値を生態系レベルに積み上げる式を用いることで、ある植物群集が与えられたときに、そこに共生している微生物の多様性と遺伝資源価値を推定できる。ここに、微生物群集の支配要因として植物ホスト・植物器官・空間距離・季節・環境要因・植物形質の効果を入れることで、これらの要因による微生物多様性の増加曲線をモデル化して組み込み、より広い面積の地域生態系レベルでの微生物多様性と遺伝資源価値を推定できる。そのモデル化手法を検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
森林・草原の計20地点で植物100種×3機関をサンプリングする計画のところ、18地点で200種以上×5器官(根圏土壌・根・枯葉・葉・繁殖器官)のサンプリングを行った。DNAメタバーコーディングはまだ行えていないがDNA抽出の準備は進んでおりDNAメタバーコーディングの予備解析は終わっている。植物試料から予定通り25菌株の分離を行って抗菌活性を評価した。
|
今後の研究の推進方策 |
野外調査・採集についてはこれまで通りのペースで進めていく。DNA抽出とDNAメタバーコーディングの進展を急ぐ。植物共生菌の抗菌活性については真菌だけでなく放線菌も用いて評価していく。
|