研究領域 | デジタルバイオスフェア:地球環境を守るための統合生物圏科学 |
研究課題/領域番号 |
22H05715
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
甲山 哲生 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (50793379)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 葉圏微生物 / 生物起源揮発性有機化合物 / 種内変異 / 植物-微生物相互作用 / スギ / 生物期限揮発性有機化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
植物が放出する生物起源揮発性有機化合物(BVOC)と葉圏微生物の相互作用を明らかにすることは、陸域生物圏から大気へのBVOC放出を介した気候変動への影響を評価・予測する上できわめて重要である。本研究では、日本の森林で卓越するスギを対象として、化学分析およびメタゲノム解析によりBVOCと葉圏微生物の詳細な解析を行い、共通圃場での環境操作実験と組み合わせることにより、1)スギが放出するBVOCと葉圏微生物群集の時間的変化の解明、2)環境ストレスがBVOCと葉圏微生物群集の相互作用に与える影響の評価、3)スギ天然林における環境勾配に沿った葉圏微生物群集の変化の解明を行う。
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研究実績の概要 |
前年度から改良を加えたガスサンプリング法を用いて、2023年6月に東北大学川渡フィールドセンター(宮城県)の共通圃場で3集団由来のスギ栽培個体を対象としてBVOCsを採取し、GC/MS/FIDにより分析した。その結果、モノテルペン12種、セスキテルペン6種、ジテルペン2種が検出され、主要な化合物はα-pinene、sabinene、β-farneseneであった。屋久島由来のスギが他の2産地よりもBVOCsの総放出速度が小さい傾向を示し、これは前年度に筑波大学実験林(茨城県)の共通圃場での測定結果と同様であった。一方、BVOCsの組成には共通圃場間で違いが見られた。以上から、スギが放出するBVOCsには、遺伝的要因だけでなく環境要因も影響していることが示唆された。
また、スギのBVOCs放出の種内変異に影響する要因として、葉圏微生物群集の調査を行った。2023年6月に筑波および川渡の共通圃場で、14集団由来のスギ栽培個体を対象として、針葉を採取した。葉表面の微生物を超音波処理によって分離・回収した後、DNAを抽出した。16S rRNA領域(細菌類)およびITS2領域(真菌類)のDNA断片をPCR増幅し、Illumina Miseqにより塩基配列を決定した。その結果、葉圏微生物群集組成には明瞭な圃場間差が見られ、集団間差も検出された。さらに、同一栽培個体が放出するBVOCsと葉圏微生物群集組成の相関関係を解析した結果、スギが放出する特定のBVOCsと葉圏微生物群集との間に関係があることが示唆された。
富山県立山において標高傾度に沿ってスギ針葉を採取したほか、筑波共通圃場では、月1回の頻度でサンプリングを継続している。これらのサンプルについても葉圏微生物群集の分析を進めており、その結果により、季節や温度の変化が葉圏微生物群集組成に及ぼす影響が明らかになることが期待される。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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