研究領域 | デジタルバイオスフェア:地球環境を守るための統合生物圏科学 |
研究課題/領域番号 |
22H05720
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
村瀬 潤 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (30285241)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 農地 / 微生物光合成 / CO2固定 / 炭素循環 / Stable Isotope Probing / 土壌マイクロばいーむ / 光合成 / 炭素貯留 / 土壌 / 藻類 / 土壌マイクロバイオーム |
研究開始時の研究の概要 |
土壌における炭素貯留のもとは植物が起源であり、それ以外の起源についてはこれまで想定されてこなかった。本研究は、環境中の炭素サイクルの中で分解者として認識される土壌マイクロバイオームによる直接的なCO2の吸収機能に注目し、その役割を明らかにしようとする試みである。フィールドにおける利用形態の異なる土壌のCO2フラックス測定、室内培養実験による土壌のCO2固定活性とそれに及ぼす各種環境要因の解析、CO2固定微生物の特定とその特性解析、微生物によって固定された有機炭素の化学構造の特徴と土壌における動態など、異なるスケールおよび方法論をつないだ総合アプローチにより課題解決を目指す。
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研究実績の概要 |
昨年度作成した植物育成用LEDライト付CO2測定チャンバーを用いて、土地利用形態の異なる農耕地におけるCO2フラックスに及ぼす光の影響について、その時空間変動を明らかにした。多数の測定事例において暗条件に比べて明条件でCO2フラックスが小さくなり、土壌表面における光照射下のCO2固定が土壌からのCO2放出を抑制するフィルターとして機能することが明らかとなった。有機質肥料の施用は土壌呼吸によるCO2放出とともに見かけの一次生産量も増大する傾向が示された。また水田では、施肥により見かけの一次生産量が大きくなることが示唆された。施肥連用畑圃場での定点観測の結果、土壌表面での見かけの一次生産量は気温および絶対湿度の高い夏季に高くなることが明らかとなった。また、化学肥料、有機質肥料の施用が一次生産量を高める傾向が認められ、冬場においても一定の一次生産があることが示された。 各農耕地から採取した土壌コアを用いた室内光照射実験を行い、土壌呼吸および見かけの一次生産量と土壌の理化学性との関係を解析した。その結果、土壌呼吸、一次生産量ともに土壌水分と正の相関が認められた。水飽和状態に近い水田土壌コアは暗条件におけるCO2放出が緩やかであった。見かけのCO2吸収速度は、硝酸イオン濃度および土壌クロロフィル量とも正の相関を示した。また、水田土壌だけに注目すると、水抽出アンモニウムイオン濃度との強い相関が示された。 室内での光照射実験により13C標識CO2を畑土壌に吸収させ、その後の動態を追跡した。4週間の明条件での培養で吸収・固定されたCO2由来炭素は、その後の暗条件での培養で無機化放出されたが、CO2を添加しなかった対照とCO2放出速度に差がなくなった暗条件での培養8週間後に吸収固定された炭素の約60%が土壌に残留しており、光照射下の微生物CO2固定が土壌の炭素貯留に寄与する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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