研究領域 | デジタルバイオスフェア:地球環境を守るための統合生物圏科学 |
研究課題/領域番号 |
22H05730
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片山 歩美 九州大学, 農学研究院, 助教 (70706845)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 純一次生産量 / 地下部 / イングロースコア / 細根バイオマス / 細根生産量 / NPP / 森林生態系 / 炭素循環 |
研究開始時の研究の概要 |
細根の生産量(以下、細根NPP)は森林生態系の純一次生産量(NPP)の約3分の1を占めるが、その割合は気温や降水量などの環境要因や樹種によって大きく変動するため、炭素循環モデリングにおいて大きな不確定要素となっている。地上部NPPに比較すると細根NPPのデータは圧倒的に少なく、調査方法も多様で方法間のばらつきも大きい。そこで本研究では、地上部NPPのモニタリングが行われている全国各地の多様な森林(常緑針葉樹林や落葉広葉樹林)において、細根NPPを同一手法により測定し、データを収集する。これにより、環境要因や樹種が葉・幹枝・細根へのNPP配分比率に与える影響を評価する。
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研究実績の概要 |
本研究課題の核心をなす学術的問いは、「気象条件によって純一次生産量(NPP)配分比率はどの様に変化するのか、また変化の仕方は森林タイプによってどう異なるのか?」である。これを明らかにするために、本研究では国内の様々な森林において同一手法により細根NPPを測定し、環境要因と樹種が細根へのNPP配分比率に与える影響を明らかにする。
2022年度は、4つの森林タイプ(ヒノキ林・カラマツ林・落葉広葉樹林・常緑広葉樹林)において、それぞれに4つの地域の森林において調査を行った。調査地は足寄、苫小牧、盛岡、芦生、滋賀、神戸、椎葉、綾、田野、やんばるである。各森林において、従来型・改良型イングロースコア法による細根NPPの測定のための設置を行った。各サイトにはイングロースコアを16-20個設置した。気温のモニタリングがないサイトでは、気温モニタリングを開始した。各サイトでは地上部NPPデータをサイト管理者に測定してもらう予定である。これらのデータにより、細根・樹冠・木質器官へのNPP配分が、気温や降水量などの環境要因と樹種によってどの様に変動するかを明らかにする。コアの回収は2023年度に行う。コアに入っている細根バイオマスを定量し、それを1年分の細根NPPとする。
細根バイオマスは地上部基底面積ともに増加することが知られている。2022年度に回収した土壌コアから細根バイオマスを採取、定量することで、この関係性が各森林タイプでも成立するのかなどの検証を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時に予定していたサイトからの変更はあったものの、今年度、予定していた調査を終えることができた。ミズナラ林を予定していたがサイトの確保が難しいことから、常緑広葉樹林を森林タイプに加えることができた。土壌コアから細根のとりわけはまだ終わっていないが、2023年5月末までには終わる予定で作業を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度5月末までに、土壌コアから細根を採取し、細根バイオマスの定量を行う。2023年8月までにサイト管理者から地上部バイオマスデータをもらい、解析を行う。2023年度10月以降イングロースコアを回収し、細根を取り出し、細根生産量を定量する。
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