研究領域 | デジタルバイオスフェア:地球環境を守るための統合生物圏科学 |
研究課題/領域番号 |
22H05739
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研究種目 |
学術変革領域研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
学術変革領域研究区分(Ⅳ)
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研究機関 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
秋津 朋子 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 第一宇宙技術部門, 主任研究開発員 (90590597)
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研究期間 (年度) |
2022-06-16 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 長期地上観測 / 人工衛星 / 分光観測 / カメラ観測 / シミュレーション / 人工衛星GCOM-C / 陸域植生 / 植生ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
カメラ画像と分光データを用いて、新たな人工衛星からどのような陸域植生の環境応答を捉えることができるかを明らかにする。これを実現するために、観測機器のメンテナンスを国内サイトで行い、PENの長期観測 (分光観測およびカメラ観測) を継続する。また、デジタルバイオスフェア研究にPENの長期観測データを提供する。
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研究実績の概要 |
気候変動の影響が顕在化しつつある昨今、その環境応答のシグナルをいち早くとらえ、社会に発信することは喫緊の課題である。陸域生態系の環境応答のシグナルは、人工衛星から得られた情報、特にNDVIを始めとする各種の植生指数の時空間変動として検出・評価されることが多い。しかし、これらの多くは、植生のストレスや光飽和等の植物生理的な環境応答を捉えることができない。一方、近年打ち上げられた人工衛星GCOM-Cから得られる2つの緑バンドからは、植物生理的な環境応答が検出可能となることが期待されている。そこで、本研究では、長期地上観測ネットワーク―Phenological Eyes Network (PEN) ―のカメラ画像と分光データを用いて、新たに人工衛星から得られる指標からどのような陸域植生の環境応答を捉えることができるかを明らかにすること、および、それを実現するための長期観測を実施することを目的とする。 2022年度は、与那フィールド (沖縄県) において、分光およびカメラの長期観測を実現するために必要な省力化を目指し、観測サイトに無線通信回線を導入し、これまで手動で行っていたデータ回収を、通信を介して自動で行えるようにした。人工衛星GCOM-Cからどのような陸域植生の環境応答を捉えることができるかについては、雨龍サイト (北海道)、苫小牧サイト (北海道)、富士北麓サイト (山梨県)、高山サイト (岐阜県)、与那フィールドをターゲットとして、研究を進めた。本研究成果は、複数の国内研究集会において発表した。さらに、国際学会である「34th International Symposium on Space Technology and Science (2023年6月)」における発表が採択されていて、発表準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
与那フィールドに無線通信回線を予定通りに導入できたことで、観測データをリアルタイムで確認できるようになり、長期観測を実現するための肝となる省力化 (データの自動回収) を実現した。人工衛星を用いた解析も予定通りに進展していて、様々な生態系 (常緑針葉樹林、落葉針葉樹林、落葉広葉樹林、常緑広葉樹林、草原) をターゲットとして、解析を進めている。本研究成果は、複数の国内研究集会 (令和3年度陸域生態系モニタリング研究集会、CEReS共同利用研究の研究集会、Joint PI meeting of JAXA Earth Observation Mission FY2022) において発表した。さらに、国際学会「34th International Symposium on Space Technology and Science (2023年6月)」において発表するための準備を進めているため、進捗状況は順調であると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度も、引き続き長期地上観測を継続するために必要な作業を実施する。特に、高山サイトにおける長期観測継続のための修繕を行う。2022年度に、無線通信回線を導入した与那フィールドにおいては、自動データ回収に不具合がないかどうかを確認する。また、様々な生態系 (常緑針葉樹林、落葉針葉樹林、落葉広葉樹林、常緑広葉樹林、草原) において、衛星データを用いた解析を行い、国際学会「34th International Symposium on Space Technology and Science (2023年6月)」において発表を行う。 さらに、衛星観測と地上分光観測の差を理解するために、放射伝達モデルによるシミュレーション解析を行うための基礎データ取得を目指す。
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