研究領域 | 生殖系列の世代サイクルとエピゲノムネットワーク |
研究課題/領域番号 |
23013018
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
田中 聡 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (10321944)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2012年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2011年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
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キーワード | 生殖細胞 / WNTシグナル / BMPシグナル / マウス / Sall4遺伝子 |
研究概要 |
マウスの生殖細胞形成は、BMPシグナル及びWNTシグナルの2つの分泌因子により、原始外胚葉上端分にその前駆細胞が誘導され始まる。その後、前駆細胞集団において、生殖細胞/幹細胞プログラムの再活性化と体細胞プログラムの抑制が起きた細胞が始原生殖細胞へと分化し、他の前駆細胞は体細胞系列へと分化すると考えられている。しかし、BMPシグナル及びWNTシグナルがどのように生殖細胞形成を誘導していくのか、その詳細な分子メカニズムについては、十分には明らかにされていない。我々はまず、原腸陥入後のマウス胚において、WNTシグナルの適切な活性調節が始原生殖細胞形成に必須であることを、WNTシグナルの活性異常と生殖細胞の形成不全を示す、Dullard遺伝子の欠損胚とWnt3遺伝子の欠損胚を用いて遺伝学的解析等を行い明らかにした(Tanaka et al.,2013)。次いで、Wnt3遺伝子の欠損胚においてその発現が低下していることから、その下流候補遺伝子の1つとして考えられるSpalt-like-protein(Sall)-4遺伝子の生殖細胞形成過程における役割についても、明らかにしている。Sall4を生殖前駆細胞集団で欠損させると、生殖細胞/幹細胞プログラムの再活性化はおこるが、体細胞プログラムの発現が抑制されなかった。そのようなSall4欠損始原生殖細胞では、ヒストン修飾の異常(H3K27me3)も観察され、やがて中胚葉組織内で細胞死をおこした。その結果、生殖腺には、Sall4欠損始原生殖細胞は、殆ど観察されなかった。Sall4は、NuRD complex等の転写抑制複合体とタンパク質相互作用を示すこと及びChIP assayの結果から、転写抑制複合体を標的遺伝子にリクルートすることにより、その転写抑制を行っていることが示唆された。
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