研究領域 | 重い電子系の形成と秩序化 |
研究課題/領域番号 |
23102713
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
芝内 孝禎 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (00251356)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
7,800千円 (直接経費: 6,000千円、間接経費: 1,800千円)
2012年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2011年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 対称性の破れ / ネマティック秩序 / 磁場侵入長 / 量子臨界点 / フェルミ面 / 有効質量 / マイクロ波吸収 / 回転対称性の破れ / 2次相転移 / 強相関電子系 |
研究実績の概要 |
本研究では、重い電子系化合物の電子状態をマイクロ波を用いた低温測定により調べた。
1つめの成果として、URu2Si2の「隠れた秩序」相におけるフェルミ面の情報をサイクロトロン共鳴により明らかにした。磁場中の20-60GHz帯マイクロ波吸収測定においてサイクロトロン共鳴を観測し、26年間の謎であった「隠れた秩序」相のフェルミ面の主な構造の同定に成功した。ここで明らかになったのは、、最も信号の強い共鳴を与えるαバンドとよばれるホール面で、バンド計算や量子振動の測定からは明らかにされていなかった有効質量の分裂を発見し、[110]方向にホットスポットを持つことを強く示唆する結果を得た。この結果は、「隠れた秩序」相において正方晶の面内4回対称性を破る電子構造となっていることを示しており、「隠れた秩序」の理解が格段に進むことが期待される。 2つめはマイクロ波を用いた超伝導体の磁場侵入長測定を様々な強相関電子系において行った。特に重い電子系超伝導体の中でも反強磁性量子臨界点に近いことが知られているCeCoIn5およびCe2PdIn8の単結晶試料において、低温で磁場侵入長がともに温度の3/2乗に比例するという特異な振る舞いを示すことが明らかとなった。この温度依存性はこの系で期待されるd波超伝導の温度に比例する振る舞いとは異なっており、量子臨界性により超伝導電子の有効質量が波数空間に強く依存していることを示唆している。さらに同様な測定を鉄系超伝導体 BaFe2(As,P)2について行ったところ、量子臨界点近傍で同様な異常を示すとともに、絶対零度における磁場侵入長の値が鋭いピーク構造を持つことを明らかにした。この結果は、超伝導ドームの内部の絶対零度において臨界的な揺らぎが存在していることを実験的にはじめて直接示したものであり、反強磁性量子臨界点が超伝導状態内に存在することを示すものである。
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現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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