公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
デラフォサイト型銅酸化物CuScO2は、半導体層(Cu-O)と絶縁体層(Sc-O)からなる超格子構造を有する直接遷移型ワイドギャップp型半導体(バンドギャップ4.35 eV)であり、励起子(電子・正孔対)の結合エネルギーが非常に大きいという特徴がある。励起子準位に由来した1電子近似を超えた動的な効果がもたらす光学的な非線形性についてフェムト秒レーザーベースの時間分解差分透過率分光法を用いた検討を行なってきた。励起子の動的な効果とその他の外因的な効果を切り分けたより詳細な議論を可能にするためトライフェーズエピタキシー法を援用した測定試料(CuScO2)の改質を試みた。本法は、成長表面上でのビスマス系酸化物の固液共存相を経由した固化を利用した成長法である。改質の試行の結果、薄膜内の欠陥構造もしくは析出物の密度を有意の差を以て減らすことに成功し、低温での鋭い紫外バンド端発光の観測に至った。これはp型の直接型ワイドギャップ半導体では初となるこのような発光の観測である。また、時間分解差分透過率スペクトルを当該試料を対象として形状解析することで、励起直後から500 psまでの間の励起子高密度効果に関わる遮へい波数の逆数を実験的に定量することに成功した。光学的シュタルク効果を検討する上で基本となる物理量であると同時に、この効果を記述する上での特徴的な物理量に密接に関わるものであることが分かった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (14件) 図書 (1件)
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Phys. Rev. B
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