公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
半導体ナノ粒子への不純物ドープによるキャリア密度制御を行い、ドープしたドナー電子が受ける量子閉じ込め効果の影響について研究するため、より良質な試料の作成手法の開発を行った。CdSナノ粒子コアをZnSシェル層で覆ったコア/シェル型ナノ粒子(CdS/ZnS)をドナードープの母体材料とし、II-VI族化合物半導体中でドナーやアクセプターとなる不純物をドープしたものを試料として作製を試みた。これまでは、室温で容易に合成可能な逆ミセル法を用いてきたが、より良質な試料を作製するため、新たに高温有機金属合成法でのナノ粒子合成法を導入し、試料作製手法の確立を目指した。まずは、MnイオンをドープしたCdS/ZnSコア/シェル型ナノ粒子において、Mnイオンのコア、シェル、コア/シェル界面への選択的なドーピングを試みた。作製したすべての試料において、明確なMn発光とバンド端発光が観測され、これらの発光強度、発光エネルギーのMn濃度依存性を調べることで、ナノ粒子コアからシェルにドープされたMnイオンへの高効率なエネルギー移動が起こっていることを示唆する結果が得られた。さらに、本試料作製手法を用いて、ドナー(Al)およびアクセプター(Ag)をドープしたCdS/ZnSナノ粒子の作製に成功した。発光ダイナミクス測定から、観測される発光はドナー・アクセプターペア発光の発光であることがわかった。本研究により試料作製手法が確立できたため、ナノ粒子におけるドナー電子の量子閉じ込め効果の影響を調べることができるようになった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Phys. Status Solidi C
巻: 9 号: 12 ページ: 2469-2472
10.1002/pssc.201200271