研究領域 | 直截的物質変換をめざした分子活性化法の開発 |
研究課題/領域番号 |
23105505
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
橋本 久子 東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60291085)
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2012年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2011年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | ゲルマニウム / 不飽和結合 / 金属錯体 / 多重結合 / ゲルミレン錯体 / ゲルミリン錯体 |
研究概要 |
1.ゲルミリン錯体(金属-ゲルマニウム三重結合化学種)の反応性研究 ゲルミリン錯体の反応性の研究はこれまで全く未知であるが、金属-ゲルマニウム三重結合も有効な反応場と考えられるため、幾つかの有機分子との反応性を研究した。まず、基本的な求核剤として、水およびアルコール(メタノール、エタノール)との反応を行ったところ、室温で速やかに付加反応が進行し、高収率でヒドロキシ基あるいはアルコキシ基を置換基として持つ新しいヒドリド(ゲルミレン)錯体が生成した。この結果は、このゲルミリン錯体が、Fischer型ゲルミリン錯体であることを示している。また、過剰のエノン(メチルビニルケトン、エチルビニルケトン)を加えると、室温で2分子のエノンが取り込まれカップリングしてπ-アリル(カルボニル)錯体を比較的収率よく与えた。このエノンとの生成物には、ゲルマニウム-酸素-炭素-炭素-炭素の連結を持つ5員環骨格が含まれている。また、タングステン-ゲルマニウム間にオキシπ-アリル部位が挿入した形をとることが、X線結晶構造解析および各種分光学的測定から明らかにされた。このような反応および生成物はこれまで全く例が無く、ゲルミリン錯体の三重結合の特異な性質を反映している。 2.新規ヒドリド(ゲルミレン)錯体の合成研究 当研究室で開発したゲルミレン錯体は、金属およびゲルマニウム上の両方に水素を持つが、ゲルマニウムの水素を最も小さなアルキル基のメチル基に置き換えたゲルミレン錯体も反応機構の解明および新しい反応の発見のために重要な合成ターゲットと考えられる。そこで、このタイプの錯体を合成するために、まず、前駆体となるメチル(トリシル)ジヒドロゲルマンの合成を行った。このジヒドロゲルマンとメチル(カルボニル)タングステン錯体との反応を行ったところ、目的の生成物が生成することを確認した。
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