配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2012年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2011年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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研究実績の概要 |
イオン液体中に分散可能なナノ結晶を探索し、表面を2-ジメチルアミノエタンチオール(DMAET)塩酸塩で被覆した種々の金属、半導体ナノ結晶を合成し、疎水性のイオン液体bmimTFSAとの複合化を行った。現在までに、CdTe, CdSe, PbS, PbSの半導体ナノ結晶ならびに AuおよびAgの貴金属ナノ粒子において均一分散が確認され、イオン液体-ナノ粒子複合体形成の方法論の一般性が実証された。特に、水溶液中で非常に不安定な銀ナノ粒子について、イオン液体中で安定性が向上することが見出された。通常、水中においては表面に形成される電気二重層間の反発によりナノ粒子が安定分散される。一方、イオン液体中においては、ナノ粒子表面におけるイオン液体構成イオンの組織化による立体反発的な分散が考慮される。ナノ粒子の導入濃度を上昇すれば、ナノ粒子表面に組織化されたイオン液体間の相互作用が発達し、ナノ粒子-イオン液体双方が高秩序に会合した自己組織化状態が形成されるものと期待される。そこで、イオン液体中への高濃度分散を目指し、イオン液体と類似構造を有する配位子(2-ジメチルアミノエタンチオール-TFSA塩)により被覆されたAuならびにCdSeナノ粒子を合成し、イオン液体との高濃度複合化を行った。 高濃度状態において、ナノ粒子(表面)がドメインをもってイオン液体中で相分離し、ナノ粒子の配列状態が形成されていることを示唆している結果が得られた。希釈により配列構造が緩和し、最終的にはナノ粒子が分散した均一系を与えるスキームが考察された。すなわち、イオン液体の添加によりアシストされた金ナノ粒子の秩序配列化が示唆された。
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