研究実績の概要 |
PQBP-1の変異体を蛍光小分子であるFlAsHでラベルするために、PQBP-1のN末端側にHisタグとテトラシステインモチーフ (Cys-Cys-Pro-Gly-Cys-Cys)を付加した。変異体は98-192欠損変異と82-222欠損変異の2種類準備した。PQBP-1のWWドメインに結合すると予想される9~12残基のペプチドをGST融合タンパク質として発現・精製した。ペプチドは、GRAPPRYGS, GTSPSYSPG, PPGPPPRGPPPP, PRLLPPGPPPGRの4種類である。これらのGST融合タンパク質とFlAsH標識PQBP-1との結合を蛍光偏光解消法で調べた。さらに、FlAsH標識PQBP-1とU5-15kDの結合も同様の方法で調べた。 また、PQBP-1とU5-15kDとの結合を表面プラズモン共鳴法によって調べた。野生型PQBP-1では、U5-15kDとの結合の解離定数が0.02 mMであった。さらに、PQBP-1の変異体(K223D, K228D, F240D, Y245D, Y245A, P248D, P248A, V251D, V251A, L252D, L252A, R253D, R253A, N255D, N255A, E257A, R260D, K262D, R260A, D265R, E257A/D265R)についても同様に調べた。その結果、PQBP-1のY245D, P248D, V251D, L252D, L252A変異体はU5-15kDに結合しなかった。また、Y245A, P248A, V251A, R253D, N255Dでは、解離定数が0.38~0.87 mMであり、結合が弱くなった。以上の結果から、PQBP-1のY245, P248, V251, L252が、U5-15kDとの結合に最も重要な残基であることがわかった。
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