公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本課題では、(1)P450の活性を短時間で評価できる植物形質転換系の構築を行うこと、次に、構築した植物形質転換系を用いて、(2)P450を葉緑体で機能させるための植物発現系の開発を行なうことを目的とした。タバコ(Nicotiana benthamiana)を利用したアグロインフィルトレーション法は、発現ベクターで形質転換したアグロバクテリウムをシリンジでタバコ葉に注入することにより、数日後に目的遺伝子を一過的に発現させるという方法であり、複数の生合成遺伝子を同時に植物へ導入して一過的過剰発現を行うことにより、植物体内での目的代謝産物の生成を短時間で評価できる。今回、モデルP450としてヒト由来ミトコンドリア局在型P450であるCYP11Aと、植物由来ステロイド水酸化P450 であるCYP90Bを用いて発現系を構築した。ヒトCYP11AはN末をER局在シグナルと葉緑体局在シグナルに改変した発現ベクターを構築した。一方、CYP90Bはそのまま過剰発現させることとした。CYP90B発現ベクターを導入したアグロバクテリウムをタバコ葉にアグロインフィルトレーションし感染3日後の葉をGCMSにより分析した結果、ステロイド22位水酸化物を検出することができた。このことから本発現方法によりP450を植物で一過的発現させることによりP450活性を評価できることを確認した。現在、CYP11A発現系を解析中である。次に、P450が葉緑体の電子伝達系とカップリングできることを確認するため、大腸菌で発現させたCYP90Bをタバコ由来チラコイド膜と混合して、In vitroで酵素アッセイを行った。その結果、光依存的に酵素活性を検出することができたことから、チラコイド膜上の電子伝達系から光依存的にP450へ電子が伝達されることを確認した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件)
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