研究領域 | 高次π空間の創発と機能開発 |
研究課題/領域番号 |
23108711
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
川井 清彦 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50314422)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2012年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2011年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | DNA / 分子ワイヤー / 光電荷分離 / 光電子移動 |
研究実績の概要 |
種々のHOMOレベルを有する、天然および修飾核酸塩基を用いて、同一鎖上の核酸塩基間のHOMOレベルギャップがDNA内ホール移動速度に与える影響を調べた。GからGのホール移動において、介在するブリッジ塩基のHOMOレベルを様々に変化しホール移動速度を測定した。ホール移動速度は、HOMOギャップの減少に伴い高速化することがわかった。また、HOMOレベルギャップを調節することにより、DNA内ホール移動速度を3桁にわたり制御可能であることが示された。このように、核酸塩基間のHOMOギャップ縮小によりDNA内ホール移動の高速化が可能であることが明らかになった。 核酸塩基のπ平面の重なりが大きいほどホール移動速度が速くなることが示唆されていた。DNAはらせんを形成する際、塩基対ごとに約35度のねじれを生じ、結果として塩基間のπスタッキング面積の減少をまねいている。修飾核酸の一つであるLocked Nucleic Acid(LNA)は、糖部位のコンフォメーションが3'-endoに固定された構造をとり、結果としてらせん角が通常のB型DNAの約35度から約26度へと減少し、πスタッキング面積が増加する。一方、LNA修飾によりDNAの構造がより剛直化することが報告されていた。DNA内ホール移動速度はLNA修飾により低下し、11塩基対をLNA置換するとホール移動速度が100倍以上減少することがわかった。次にG-C塩基対の水素結合数を減らし、核酸をより柔軟にする5-Me-2'-deoxyzebularine(B)がDNA中のホール移動速度に与える影響を調べた。シトシンをBに置換すると、ホール移動速度が20倍以上増加することがわかった。以上の結果から、DNA内をホールが移動するためにはDNAの分子運動が必須であり、DNAの柔軟化によってホール移動を高速化可能であることが示された。
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現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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