研究領域 | 電磁メタマテリアル |
研究課題/領域番号 |
23109513
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
岡崎 健一 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70402485)
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研究期間 (年度) |
2011-07-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2012年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 酸化亜鉛 / ナノ粒子 / ナノリングアレイ / 自己集積 / テンプレート |
研究概要 |
ナノスケールの金属構造体は、その形状に依存して局在表面プラズモン共鳴などのバルク材料には見られない特異な光学特性を示し、光を効率よく利用可能な反応場となる。一方、光の波長と同程度の周期性を有する構造体は、フォトニック結晶として特定の波長の光を閉じ込めることが可能となる。このように周期的に配列した金属ナノ構造体を作製することにより、光と相互作用可能なメタマテリアルとして機能することが期待される。本研究では、電子線リソグラフィーなどの高価な装置を使用せず、ナノ粒子の自己集合を利用して固体基板上に構造制御された周期配列ナノ構造体の作製を行った。平均粒径数百nmのポリスチレンビーズ分散溶液中に粒径数nmの酸化亜鉛ナノ粒子を共分散させたのち透明電極上に滴下し、溶媒蒸発に伴って形成するポリスチレンビーズの二次元最密構造をテンプレートとしてナノ粒子を自発集積した。この時、溶媒蒸発の進行により、個々のポリスチレンと透明電極基板との界面に毛細管力により自発的に酸化亜鉛ナノ粒子が集積してリングを形成した。ポリスチレンを燃焼により除去することにより、透明電極上にポリスチレンの直径と一致した中心間距離を有する酸化亜鉛ナノリングアレイを作製することに成功した。形成する酸化亜鉛チノリングの太さ(厚み)は、ポリスチレンに対する酸化亜鉛ナノ粒子の個数比により変化させることができ、また、テンプレートとして用いるポリスチレンの直径を変化することで、形成するリングアレイの周期性を制御することに成功した。さらに、酸化亜鉛は紫外光照射により、その表面に金を光還元析出することが可能であり、金と酸化亜鉛が複合化したナノリングアレイを作製できることを明らかにした。今後、周期性に依存した酸化亜鉛の発光変調や、リング形状の変化によるプラズモン変調などの評価を通して、光と相互作用するメタマテリアルとしての機能発現を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
交付申請時に予定していた研究体制を確保できなかったこと、および他の業務に予定以上のエフォートを取られたことにより、若干の遅れが生じた。しかしながら、次年度研究体制を確保できれば、本年度得られた研究成果を元にして、本研究課題の目的を達成できると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度、酸化亜鉛ナノ粒子の合成、およびポリスチレンビーズをテンプレートとした酸化亜鉛ナノ粒子の移流集積によるリング状集積体(酸化亜鉛ナノリングアレイ)の作製に成功している。また、酸化亜鉛リングアレイの周期性の変化と、紫外線照射によるリング上への金の光還元析出にも成功している。これらの断片的に得られた成果を系統的に複合化することにより、二次元的に形状と周期性の制御された金ナノリングアレイの作製を目指す。さらに新学術領域研究に属する他の研究グループと共同で、作製したアレイの光学的、電磁気学的特性評価を試みる。
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