配分額 *注記 |
5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2012年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2011年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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研究実績の概要 |
本研究では、分子回転の自由度に着目した強誘電体に関して、強誘電体物性の精密制御を目的として研究を進めた。結晶中の対アニオンは、結晶内の超分子ローターカチオン構造の分子配列を決定すると同時に、結晶中の回転空間を支配する。強誘電性の発現が可能な(m-fluoroanilinium)(dibenzo[18]crown-6)超分子カチオン構造を、S = 1/2スピンを有する[Ni(mnt)2]に導入した時の、カチオン-アニオン配列と結晶中の分子運動についての検討を行った。結晶中で、m-fluoroaniliniumは隣接するカチオンとの双極子-双極子相互作用により、結晶中での自由回転が阻害されていた。結晶の温度の上昇に伴い、カチオン分子の回転運動が熱励起されれ、それに伴う結晶のアモルファス化が観測された。アニオン構造の変化が、カチオンの回転空間を大きく変化させる結果を得た。 極性配位子を有する新規な金属錯体ポリマーとして、[Cu2(R-Benzoate)4(pz)]に着目した。R-Benzoateとして、m-fluorobenzoate, 2,3-difluorobenzoate, m-methylbenzoate, m-chlorobanzoateを導入した一次元ポリマーを作製した。全ての錯体の単結晶X線結晶構造解析から、ポリマー鎖間に結晶化溶媒であるCH3CN分子が存在するチャネル構造が形成している事が判明した。熱重量分析とH2Oに対する吸着等温線から、チャネル内のCH3CN分子は容易にH2O分子に置き換わることが示された。また、チャネル内のH2O分子を前処理により完全に除去した後、195 KにおいてCO2の吸着等温線を測定したところ、ゲート吸着機構に典型的な構造相転移を伴う挙動が観測された。以上の結果より、CO2ガス吸着下における誘電率の温度依存性に関する評価を実施した。
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