研究領域 | 分子自由度が拓く新物質科学 |
研究課題/領域番号 |
23110714
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
寺崎 一郎 名古屋大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30227508)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2012年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2011年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 分子性導体 / 電荷秩序 / モット絶縁体 / 秩序の競合 / 強相関電子系 / 相競合 / 誘電応答 |
研究実績の概要 |
本公募研究の目的は、(1)ダイマーモット絶縁体β-(meso-DMBEDT-TTF)2PF6に電場を印加することによってその電子状態を空間的に変調し、(2)その不均一構造を可視から赤外領域の顕微分光を用いて調べ、(3) その誘電特性の特徴を明らかにすることであった。 まず(1)については、β-(meso-DMBEDT-TTF)2PF6はダイマー系でありながらTc=70 K以下で電荷秩序相を基底状態に持ち、κ-(BEDT-TTF)2Cu2(CN)3 の対極にある物質とみなすことができる。我々はこの系の非線形伝導を調べ、定電流印加によってこの系で電圧振動が生じること、さらに、定電圧印加によって電流がステップ状に変化するが電流振動は生じないことを見出した。 (2)については、Tc以下でダイマーモット絶縁相と電荷秩序相が競合・共存することを見出した。赤外顕微マッピングは、同一試料内ではっきりと二相に分離していることを示している。この結果は、ダイマーあたり1個存在する電荷の自由度から生じる2つの電子相が競合していることを意味している。これはダイマーの内部自由度によって駆動された、我々が認識していなかった相転移である。 (3)については、(1)で行った電圧振動の周波数から面内方向の試料のキャパシタンスを見積もることを試みた。すくなくとも誘電率のオーダーくらいは決めることができたと思っている。 以上のように、本研究で目ざした研究成果を得ることに成功しただけでなく、ダイマーモット絶縁相と電荷秩序相の競合現象という予想外の発見にめぐまれ、期待以上の成果があった研究であると考える。
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現在までの達成度 (段落) |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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