公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
私共は、これまでに、低分子量G蛋白質Arf6が乳癌細胞の浸潤活性に根幹的役割を果たしていること、Arf6のエフェクターがAMAP1であること、EGFレセプター経路介した乳癌の浸潤形質獲得においてArf6を活性化因子がGEP100であることを明らかにした。さらに、GEP100-Arf6-AMAP1経路(以下Arf6経路)が、VEGFR2の活性化に伴う血管新生に関与することなど多様な細胞浸潤性誘導に関与することを見出した。当該研究期間において、AMAP1のエフェクター機能を解析する過程の中で、AMAP1がPRKD2を介してインテグリンと結合することを見出した。EGF刺激に伴ってArf6経路がRab5cと協調してインテグリンのリサイクルエンドソームから細胞膜への輸送に関与することを見出した。さらに、AMAP1がEMT誘導に伴って発現が誘導されるEPB41L5と特異的に結合することを見出し、Arf6経路の活性化に伴うinvadopodia形成あるいはE-cadherinを介した細胞-細胞間接着の消失が誘導される分子機序を見出した。また、AMAP1及びEPB41L5の発現が癌抑制遺伝子p53を介して抑制されることを明らかにした。p53欠損と、幹細胞様形質の誘導、あるいは、EMT誘導との関連が明らかとなっている。さらに、basal-likeに分類される乳癌の約80%において癌抑制遺伝子p53の遺伝子変異が見られ、その他の遺伝子変異がほとんど見られないことが報告されている。私共がこれまで高浸潤性乳癌細胞として用いていたすべての細胞が、basal-like乳癌と同じ遺伝子発現プロファイルを示すこと、さらに、p53に変異があることが明らかになっている。ことなどから、GEP100-Arf6- AMAP1経路が、乳腺組織幹細胞における細胞運動性・浸潤性の制御に関与している可能性が示唆された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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J.Cell Biol
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http://www.hucc.hokudai.ac.jp/~g21001/index.html
http://info.coop.hokudai.ac.jp/bunsei/