研究領域 | 動く細胞と場のクロストークによる秩序の生成 |
研究課題/領域番号 |
23111503
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大橋 一正 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 准教授 (10312539)
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2011年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | 機械的シグナル / 上皮細胞 / アクチン骨格 / Rho / GEF / イメージング / 3次元 |
研究概要 |
本研究は、上皮細胞集団が3次元環境下で秩序化と組織化する過程において、場から受ける機械的シグナルによりアクチン骨格再構築を時空間的に制御する分子機構とその役割を解明することを目的とする。また、3次元培養下の上皮細胞が外環境の硬さによって上皮-間葉転換を起こすことや、細胞外基質に依存した管腔の分岐や分葉構造を形成していくことに注目し、これらに寄与するRhoファミリーに対するGEF(Rho-GEF)を網羅的に探索、同定し、機械刺激受容体としての機能の検討、機械刺激のシグナル伝達経路の同定を行う。これまでに、Rhoファミリーに対する80種類のGEFのうち69種類の発現抑制プラスミドを作製し、細胞外環境の硬さ依存的な上皮細胞の上皮-間葉転換に寄与するRho-GEFの探索を行った。その結果、5種類の候補遺伝子を同定した。これらの分子はRhoを活性化するものが多く、腎尿管由来のMDCK細胞に過剰発現させたところ3次元環境下における嚢胞(シスト)形成に異常が見られた。さらに、3次元環境下の細胞運動、細胞極性、細胞間・細胞-基質間接着を3次元タイムラプスイメージングにより可視化するため、GFPを付加した細胞極性、細胞間接着、細胞骨格のマーカー蛋白質をMDCK細胞に発現させた細胞株を樹立し高分解能の3次元タイムラプスイメージングの方法を確立した。また、コフィリンの活性制御蛋白質の発現を制御する方法を確立した。これらの実験方法の確立と解析から、上皮細胞集団の秩序化、組織化におけるアクチン骨格再構築の時空間的な制御において鍵となるRho-GEFの同定に成功し、上皮組織形成の分子基盤の一端を明らかにし、また、今後の研究において重要な技術が確立することができた。
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