研究領域 | 分子ナノシステムの創発化学 |
研究課題/領域番号 |
23111701
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
長谷川 靖哉 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80324797)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2013-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2012年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2012年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2011年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | ナノ材料 / 超分子化学 / 超格子 / 機能創発 / 希土類 |
研究概要 |
金ナノ粒子は光エネルギーを吸収することにより、表面プラズモン電場増強が発生する。この電場増強が配列したEuXのスピン偏極に影響を与え、特異的な光磁気物性が期待できる。本研究「希土類ナノ結晶と金粒子の超格子形成と機能創発」を行うために、23年度はEuSナノ結晶とAuナノ粒子の複合体形成(EuS-金ナノ複合体)を行い、電場増強下における光磁気機能評価を行った。 具体的には、Au錯体を新規に合成し、オレイルアミン中で300℃にて反応をおこなうことににより、Auナノ粒子を合成した。同時にユーロピウム錯体を原料としたEuSナノ結晶を合成し、EuSナノ結晶とAuナノ粒子をヘキサンジチオールで連結した(EuS-金ナノ複合体)。その複合形状は透過型電子顕微鏡により観察した。 得られたEuS-金ナノ複合体は、金ナノ粒子のプラズモンバンドに起因する吸収帯のレッドシフトが観測された。このレッドシフトは誘電率が高いEuSが金ナノ結晶の近傍に存在することを意味している。 このEuS-金ナノ複合体をポリメタクリル酸メチルのTHF溶液に分散し、キャスト法にてEuS-金ナノ複合体を含むポリメタクリル酸メチル薄膜を調整した。得られたEuS-金ナノ複合体含有ポリマー薄膜に印可磁場150000eにおけるファラデー回転(磁場印加中の物質に偏光をあてると、その偏光面が回転する現象:ファラデー回転)がプラズモン吸収バンド領域において増大することが明らかとなった。 本研究により、EuSナノ結晶の光磁気特性(ファラデー効果)におけるプラズモン電場増強効果が初めて明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度の目的であったEuS-金ナノ複合体の合成に初めて成功した。さらに、金ナノ粒子のプラズモン電場増強によるEuSの光磁気機能向上を初めて観測することができた。よって、当初の研究計画以上に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本年度に成功したEuS-金ナノ複合体の光磁気特性(ファラデー効果)におけるプラズモン電場増強効果について、その詳細を明らかにするために、EuSと金の距離を変化させた検討を行う。具体的には、エタンジチオールおよびドデカンジチオールを用いたEuS-金ナノ複合体を合成する。EuSと金の距離は透過型電子顕微鏡観察により評価し、ファラデー効果測定によりEuSの光磁気特性におけるプラズモン電場増強効果について評価する。
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