公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
出芽酵母を用いて、機能不全リボソームRNAの品質管理の分子機構について研究を行った。以前の研究から、機能不全となる点変異を持つ25S rRNAに誘導される形でユビキチンがリボソームに結合することが、このRNAの選択的分解に明らかになることが明らかとなっており、本研究ではこの反応に関わるE3ユビキチンリガーゼMms1複合体を対象に詳細な解析を行った。この複合体がユビキチンを結合させるリボソームたんぱく質の解析結果から、60Sと40Sのそれぞれのサブユニットが翻訳伸長過程で行う「ラチェットモーション」がMms1によるリボソームの認識に関与しているのではないかという示唆が得られた。そこでこのユビキチン化部位の近傍に位置する40S側のたんぱく質にMycタグを連続して付加し、E3リガーゼによるリボソームへの結合を阻害する状況を作りだすことを試みてみた。このようなリボソームを持つ出芽酵母において変異25S rRNAの分解速度を測定したところ、明らかに速度の低下がみられており、このことは(少なくとも一部の)変異リボソームの分解に40Sサブユニットとの結合が必要である、という仮説を支持している。ただしこの状況では分解速度は低下するが、Mms1欠損株のように完全に分解が停止するわけではないので、40Sサブユニットの協力を必要としない、別の過程での認識が働いている可能性も同時に示唆されている。これまでにMms1経路によって分解されるとされる機能不全25S rRNAは4種類のみであり、その分解経路の一般性には検証の余地が残されていた。そこでこの点についても、合計47種類の変異25S rRNAを作成し、Mms1の基質になるかどうかを調べた。その結果少なくとも10種類の変異はリボソームの機能不全を引き起こし、Mms1による分解を誘導することが明らかになった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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The EMBO Journa
巻: 31 号: 11 ページ: 2579-2589
10.1038/emboj.2012.85
120005122255
EMBO Journal
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