公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
マラリア肝細胞期はワクチン開発の主要な標的でありCD8+T細胞による防御が有効であることが知られているが、詳細な機構は明らかではない。本研究では、モデル抗原OVA(卵白アルブミン)エピトープと蛍光蛋白gfpの融合蛋白を発現するマラリア原虫Plasmodium berghei-gfpOVA(PbA-gfpOVA)用い、生体イメージングの手法を用いて肝細胞期防御における特異的CD8+ T細胞のエフェクター機構を解明することを目的とした。昨年までの研究で実験材料の準備ができたので、今年度は多光子レーザー顕微鏡を用いて生体イメージングを行った。OVA特異的トランスジェニックマウスOT-Iを赤色蛍光蛋白発現のDeRedマウスと交配し、DsRed/OT-Iマウスを作製した。CD8+T細胞を試験管内で活性化後、C57BL/6マウスに受け身移入した。その後、PbA-gfpOVAスポロゾイトを感染ハマダラカの唾液腺から採取してマウスに感染させた。感染24-58時間後、麻酔下でマウスの肝臓を露出させ、多光子レーザー顕微鏡を用いて生体イメージングを行った。少なめのOT-I細胞を移入した場合には、gfp+感染肝細胞の周囲に10-50個程度のOT-I細胞が集まっている像が観察された。集積した細胞はあまり動かず、活性していると考えられた。さらに観察期間中にOT-I細胞に囲まれたgfp+細胞が消失するイメージをタイムラプスで撮影することに成功した。また、移入するOT-I細胞の数を増やすとgfp+細胞は殆ど観察されなくなり、感染細胞のあった場所と思われる所に大小のOT-I細胞クラスター形成が観察された。以上、まだ部分的であるがCD8+T細胞が感染肝細胞と相互作用して感染マラリア原虫の排除を行う一連の流れを捉えることに成功した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (13件) 備考 (1件)
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