公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
低分子量Gタンパク質ARL8に関して、線虫ARL8欠損変異体を用いた表現型解析、及び精製リコンビナントタンパク質を用いたARL8の生化学的性状の解析を行った。まず、リコンビナントタンパク質を用いたpull-down assayにより、線虫ARL8がHOPS複合体の構成因子であるVPS41と物理的に相互作用することを明らかにした。この相互作用は、ARL8のグアニンヌクレオチドフォームに依存しており、GTP結合型のARL8が、GDP結合型に比べて、より強くVPS41と結合した。よって、VPS41がARL8のエフェクターとして機能する可能性が考えられた。HOPS複合体は酵母液胞の融合の際にtethering factorとして機能することが知られている。前年度までの研究から、線虫ARL8欠損変異体では、ファゴソームとリソソームの融合が殆ど起こらないこと、野生型の線虫においてARL8がリソソームやファゴサイトーシスの膜に局在することを見いだしており、本年度の結果を考え合わせると、ARL8がHOPS複合体をオルガネラ膜にリクルートすることによって、ファゴソームとリソソームの融合を正に制御している可能性が考えられた。一般にARF/ARLファミリーGタンパク質の解析においては、C末端にタグを付加することが多いが、タグの付加がGタンパク質の機能に影響する可能性が考えられる。そこで、タグ除去後にC末端に余分なアミノ酸が一つしか残らない発現ベクターを用いて、ARL6を題材にリコンビナントタンパク質を調整したところ、グアニンヌクレオチド結合活性の高いARL6を調整することができた。またARL13bに関しては、ARL13bの相互作用因子群の同定を行うため、ARL13b-Flagを恒常的に発現するIMCD3細胞を樹立し、免疫沈降による相互作用因子群の探索を行い、いくつかの候補分子を同定した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (10件) 備考 (2件)
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