公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
歯周病菌は歯肉上皮細胞や歯肉繊維芽細胞に侵入し、感染の進行と慢性化を図る。一方、宿主細胞はエンドサイトーシス経路などのメンブレントラフィック機構を用いて侵入細菌を分解する。この「細菌 vs メンブレントラフィック」の戦いの転機が歯周病の発症において大きな影響を与えている。メンブレントラフィック機構のひとつであるオートファジー(自食作用)とは、細胞の中を掃除することで病気が起こるのを防ぐ仕組である。細胞の中に壊れたミトコンドリアや古いタンパク質などが溜まったり病原体が侵入したりすると、細胞の健康が損なわれ、その結果アルツハイマー病、発がん、心不全、糖尿病、感染症、炎症など多岐にわたる病気が起こる。それを防ぐために細胞はオートファジーという仕組みを持っている。オートファジーを担うオートファゴソームは、膜で包まれた球形のオルガネラであり、必要に応じて細胞の中に現れ、細胞にとって有害な上述のものを取り込んで分解する働きを持つ清掃マシーンのような存在である。どこからともなく現れ役目を終えると消えるため、どこで造られているのかがこれまで40年近く論争の的になっていた。最も強力な歯周病菌でもあるP. gingivalis は細胞質内へと侵入しオートファジーにより捕獲され分解・殺菌される。我々はオートファゴソームの形成起源について検討を加えた。その結果、オートファゴソームが別のオルガネラであるミトコンドリアと小胞体が接触する場所で造られていることを見出した。さらに、歯周病菌は細胞のリサイクリング経路をハイジャックすることにより細胞外に脱出し、隣接細胞に再侵入することにより組織内での感染を拡大させていることも明かとした。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 2011
すべて 雑誌論文 (32件) (うち査読あり 27件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 7件) 図書 (4件)
Journal of Oral Microbiology
巻: 印刷中
Journal of Medical Microbiology
PLoS Pathogens
巻: 9(4) 号: 4 ページ: 1-13
10.1371/journal.ppat.1003326
Nature
巻: 495 号: 7441 ページ: 389-93
10.1038/nature11910
Infection and Immunity
巻: 81(3) 号: 3 ページ: 753-763
10.1128/iai.00875-12
Veterinary Microbiology
巻: 161(1) 号: 1-2 ページ: 196-205
10.1016/j.vetmic.2012.07.026
巻: 80(8) 号: 8 ページ: 2847-2857
10.1128/iai.00258-12
Expert Review of Proteomics
巻: 9(3) 号: 3 ページ: 311-323
10.1586/epr.12.16
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 421(4) 号: 4 ページ: 696-700
10.1016/j.bbrc.2012.04.064
Journal of Cell Biology
巻: 197(2) 号: 2 ページ: 201-208
10.1083/jcb.201110008
Clinical Calcium
巻: 22 ページ: 43-48
BMC Gastroenterol
巻: 12 号: 1 ページ: 12-16
10.1186/1471-230x-12-16
FEMS Immunology & Medical Microbiology
巻: Nov 3(In press) 号: 3 ページ: 425-428
10.1111/j.1574-695x.2011.00889.x
Autophagy
巻: 8 ページ: 445-544
Journal of Oral Bioscience
巻: 54 ページ: 83-85
巻: 54 ページ: 54-57
Microbial Pathogenesis
巻: 52 ページ: 17-24
BMC Gastroenterology
巻: 12 ページ: 16-16
巻: 192 ページ: 201-208
Expert Review
巻: (in press)
CLINICAL CALCIUM
障害者歯科
巻: 32 ページ: 1-7
10030299367
Oral Diseases
巻: 17 ページ: 370-378
Journal of Biological Chemistry
巻: 286 ページ: 3094-3103
Cellular Microbiology
巻: 13 ページ: 677-691
Nature Communications
巻: 2 ページ: 485-485
Journal of Osaka University Dental Society
巻: 56 ページ: 5-30
Journal of Periodontology
巻: 82 ページ: 1616-1622
Communicative & Integrative Biology
巻: 4 ページ: 587-589
臨床薬理
巻: 42 ページ: 65-66
10029432651