配分額 *注記 |
7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2012年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2011年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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研究実績の概要 |
研究代表者らは、性ホルモンや液性因子から受容体を介した蛋白修飾を介したシグナル伝達の破綻が癌やウイルス感染症など様々な病態生理において重要な役割を果たしている可能性を見出し、探索した。平成24年度においてはGタンパク質共役受容体の一つであるGpr98遺伝子が骨粗鬆症の発症において重要な役割を果たすことをヒトゲノムワイド解析、Gpr98ノックアウトマウス、ノックアウト骨芽細胞を組み合わせることで見出した(J Clin Endocrinol Metab 97, E565-E574)。さらにWntシグナル阻害因子である、スクレロスチンの血中濃度が、骨粗鬆症のみならずメタボリックシグナル関連マーカーと強く相関することを見出し、Wntシグナルの破綻が骨粗鬆症やメタボリック症候群の発症に関与する可能性を見出した(J Clin Endocrinol Metab 97, E1473-1477)。さらに子宮癌細胞を用いて性ホルモンである、プロゲステロンの新規応答遺伝子として14-3-3tauを同定し、本遺伝子が子宮においてプロゲステロンシグナルを調節しているメカニズムも見出した(J Mol Endocrinol 49, 193-202, 2012)。前立腺癌においてはアンドロゲン受容体の一次応答遺伝子を網羅的に探索、同定した。その結果、前立腺癌においてはARFGAP3、TACC2、14-3-3zetaといった蛋白修飾をうける因子の過剰発現が予後を規定する因子であることを見出した(Clin Cancer Res 18, 5617-5627, Mol Endocrinol 26, 748-761, Int J Cancer 130, 2240-2248)。以上のように癌をはじめとする様々な疾患で蛋白修飾関連因子の異常が見出されたことから、これら因子を標的とした診断、治療への臨床応用が期待される。
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