配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2012年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
2011年度: 8,190千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 1,890千円)
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研究実績の概要 |
1.「カルモジュリン様タンパク質CML10による低温シグナリング調節」:ICE1と相互作用するCML10過剰発現体では低温耐性を、RNAi抑制体では低温感受性を示した。50種類のCMLとICE1の相互作用を調べたところ、多くのCMLとICE1との相互作用が見られた。ただ、ICE1と同じように葉での発現が高いものはCML12, CML20, CML35だった。 2.「MAPキナーゼ(MPK)による低温シグナリング調節」:先行研究においてMPK4及びMPK6が低温によって活性化されることが示されているが、その活性化パターンとICE1のリン酸化パターンが類似していた。mpk4変異株では低温感受性を示し、また低温応答性遺伝子の発現低下が見られた。活性型MPK4を用いてICE1のC末におけるリン酸化をin vitro系で調べたところ、ICE1のリン酸化が認められた。 3.「転写因子MYC67, 70, 71は低温シグナルの負の調節因子である」:これらのMYC転写因子が低温シグナル伝達における負の調節因子であった。MYC67, 70, 71はホモダイマーとしてDREB1プロモータ領域に存在するMYC認識領域(CANNTG)に結合することを明らかにした。この領域はICE1も結合する領域なので、ICE1とMYC転写因子が競合すると考えられる。ICE1とMYC転写因子を用いたEMSAを行ったところ、ヘテロダイマーとしてcisエレメントに結合している可能性が示唆された。また、植物体内におけるICE1とcisエレメントとの結合度合を野生種とmyc変異体においてChIPアッセイを行った。すると、myc変異株においてはICE1とcisエレメントとの結合が強かった。このことから、MYC転写因子はICE1とヘテロダイマーを形成することでICE1とcisエレメントとの結合を阻害していることが示唆された。
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