公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
植物の機械刺激の受容体の解明は未だ不十分であるが、さまざまな実験から、その中核をなす分子はCa2+透過性機械受容チャネルであると考えられている。本研究は、その活性をもつMCA1とMCA2の研究、および植物のモデル生物である酵母の機械受容チャネルの研究をとおして、その受容体の構造と機能明らかにすることを目的としている。平成24年度は次の研究実績を挙げた。1. 「分裂酵母の機械受容チャネルの低浸透圧の感受と応答における役割」:植物や酵母には、原核生物の機械受容チャネルの一種であるMscSの類似タンパク質(MscS-like protein; MSL)がある。我々は、分裂酵母に2つのMSLが存在することを見つけ、それぞれMsy1およびMsy2と名付けた。蛍光顕微鏡法により、Msy1は核周辺の小胞体に局在すること、Msy2は細胞膜近傍の小胞体に局在し、低浸透圧の感知と応答にしていることを明らかにした。2.「タバコとイネにおけるMCAホモログのはたらき」:タバコ(Nicotiana tabacum)のMCAホモログ(NtMCA1とNtMCA2)およびイネのMCAホモログ(OsMCA1)のはたらきについて、東京理科大学の朽津和幸教授と共同研究を行った。その結果、NtMCA1とNtMCA2は低浸透圧刺激後の細胞内Ca2+の上昇に関わること、NtMCA1とNtMCA2の高発現は低Ca2+濃度培地下でのBY-2細胞の増殖制限を緩和すること、NtMCA1の高発現により接触刺激応答遺伝子NtERF4を強発現させること、などを明らかにした。イネ(Oryza sativa)のOsMCA1高発現株では、低浸透圧刺激後の細胞内Ca2+の上昇が野生株に比べ大きく、活性酸素種(ROS)の生産が上昇すること、RNAiによるOsMCA1ノックダウン株は成長が遅く、短い穂軸をもつこと、などを明らかにした。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (15件) (うち招待講演 4件) 備考 (2件)
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