公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究では、植物の環境感覚においてCOP9シグナロソーム(CSN)が「mRNA代謝とタンパク質分解とを統合的に制御する鍵因子である」と考え、細胞の場におけるCSNの刺激応答機構を解明することを目的としている。当該年度はCSNとmRNA代謝制御関連因子の相互作用が、植物の環境刺激応答に担う機能を理解することを目指した。CSNと直接結合するSAP130の機能解析を進めた結果、その転写産物は多くの器官で認められたが、その発現抑制植物は花粉の形態形成異常を示した。SAP130発現抑制植物では花粉形成期に発現するQRT1とQRT3のmRNA量が減少することから、「スプライシングの標的や効率の制御機構にSAP130が関与する」と仮説を立てて候補遺伝子群の発現解析を進めた。加えてSAP130発現抑制植物では、アントシアニンの蓄積が上昇し、光感受性が亢進することを示し、原因となる標的遺伝子の同定を進めた。また、SAP130に加えてAt3g11960類似遺伝子が存在することを見出し、その機能欠損植物ラインを確立したので解析を進めた。一方、csn1部分相補植物fus6/CSN1-3-4もSAP130発現抑制植物と類似した低い稔性を示し、花粉の形成過程に異常があったことから、CSNとSAP130とが協調して花粉形成に必須の機能を担うと考えている。SAP130が構成するSF3bはヒトでは7因子で構成されているが、植物では未知である。シロイヌナズナにもそれらの遺伝子が保存されており、SAP155を除く6因子については2コピーずつ同定した。手始めにSAP49を解析した結果、SAP49は植物発生初期の形態形成に重要であることが判明し、他についても順次機能解析を進めている。また、スプライシングに関わるPrp43も2コピー存在し、CSNと結合することからその機能解析を進めている。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (13件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
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