研究実績の概要 |
1.gpT-62CTDの発現・精製 gpTのC末端側のペリプラズムドメイン(CTD)のN末端にpelBのシグナル配列を付加したgpT-CTDは精製過程で62残基目のリジンで一部切断が起きていることが確認された。そこで、gpTの残基目のリジンからC末端側のペリプラズムドメイン(62CTD)のN末端にpelBのシグナル配列を付加したgpT-62CTDの大腸菌における大量発現系を構築した。gpT-CTDと同様に不溶性各分として回収されたgpT-62CTDは、pH9.5, 1.2Mアルギニンの条件で可溶化することに成功した。 2. gpT-62CTD, gpRI-CTD複合体の結晶化 pH9.5, 1.2Mアルギニンの条件で可溶化したgpT-62CTDに精製したgpRI-CTDを添加しその後アルギニンを透析により徐々に除くことにより、gpT-62CTD_gpRI-CTD複合体を得ることに成功した。超遠心分析によりこの精製標品は溶液中で2:2の複合体とその重合体が平衡して存在することが示された。また、pHを9.5からpH7.5にすると、2:2の複合体が3量化しているもののみが存在することが分かった。さらに、この複合体について結晶化を試み、gpT-CTD_gpRI-CTD複合体とは異なった条件で結晶化に成功した。 3. gpT-62CTD, gpRI-CTD複合体の結晶構造解析 gpT-62CTD_gpRI-CTD複合体の結晶構造解析に成功し、2.4Å分解能の複合体の結晶構造を得ることができた。その結果、溶液中の基本単位の2:2の複合体と思われるユニットを結晶中に見出すことができた。また、gpRIはgpTの周囲の3か所に結合しgpTの重合を阻害していることが示唆された。
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