公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本研究ではトランスジェニック(TG)・イモリを用いた網膜再生研究を実践する。特に、網膜の外傷直後に再生起源細胞(網膜色素上皮細胞:RPE細胞)で活性化するMEK-ERK経路と、RPE細胞由来の網膜幹細胞様細胞および網膜前駆細胞で活性化すると考えられているFGF受容体 - MEK-ERK - Pax6経路にフォーカスし、これらの経路分子の遺伝子発現や活性を人為的に制御することにより、再生開始、増殖、パターニングにおけるこれらの役割を明らかにすることを目的とする。 この目的を達成するために、終分化RPE細胞特異的遺伝子RPE65のプロモーター(ORFの上流~1kb)に標的遺伝子の機能を撹乱しうるDNA配列をつないだコンストラクトを作製し、I-SceI法によりTGアカハライモリを作製した。しかし、導入遺伝子の発現量や組織特異性が不安定であり解析困難であった。そこで、Insulatorを組み込んだコンストラクトを新たに作製し評価した結果、非常に効果的で、個体の生存率も向上した。しかし、詳細な分析から、ここで用いたRPE65プロモーターが成熟したRPE細胞だけでなく、発生中の他の組織でも活性化することが判明したため、発生期を避けて、変態後の個体において遺伝子機能を撹乱する目的でCreERT2-LoxPシステムを組み合わせたコンストラクトを新たに作製し評価した。その結果、タモキシフェン投与により人為的に遺伝子発現を誘導できることが分かった。しかし、再び導入遺伝子の発現が不安定になり、解析が困難になってしまった。この原因を調査した結果、一般的なコンストラクトの調製過程に問題があることが判明した。すでにこれらを改善した新たなプロトコルを確立した。また、ドミナントネガティブ法やshRNAによりが機能することも明らかにした。現在、これら新手法を組み合わせTG個体を量産している。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (23件) (うち招待講演 4件) 備考 (5件)
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