公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
現在までに、マウス胚ノード中に存在する左右非対称な水の流れが、ノード脇で発現するCerberus like 2 mRNAの不安定化を引き起こし、Cerberus like 2 mRNAの発現パターンを左右非対称に変化させる事を解明した。本研究は、物理的な水の力を遺伝子発現の左右非対称性へと変化させる機構であると考えられr、非常に興味深いものである。私達はさらに理解を深めるため、アクチノマイシンDを使用して遺伝子発現におけるmRNAの転写をストップさせ、さらにWntシグナルの促進剤であるBIOを添加して、マウス胚を培養した。その結果、Cerberus like 2 mRNAの量は減少しており、この結果はWntシグナルがCerberus like 2 mRNAの分解に影響している事を示している。従来までの結果から、Cerberus like 2 mRNAとWntシグナルは、連結したフィードバック機構を持つ事を明らかにしており、本研究はそのフィードバックメカニズムの実体を解明する物となった。またWntシグナルがCerberus like 2 mRNAのどの部位に作用するのかを理解するため、Cerberus like 2 mRNAの欠失解析をおこない、3'側のUn-translated regionがその機構に極めて重要である事を明らかにした。さらに、解明したフィードバックメカニズムを用いて、数理モデルを作成したところ、連結したフィードバック機構はノイズに対して極めて安定で、確実に左右を決定するために重要である事がわかった。
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