公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
候補遺伝子として付属肢の遠近軸形成遺伝子および領域特異的な発現を示す遺伝子に着目し、カブトムシからcDNAの部分配列を得た。次に、これらの配列に基づき二本鎖RNAを合成してlarval RNAi法を用いた機能解析を行った。その結果、これらの遺伝子の多くはツノ形成に重要な役割を果たすことが判明した。したがって、新奇形態であるツノは、付属肢とは異なる構造であるが、付属肢の遠近軸形成遺伝子がその形成に関与することが示唆された。頭部および前胸部のツノ原基において雌雄で発現に差異の認められる遺伝子を同定するため、次世代シーケンサーを用いた比較トランスクリプトーム解析を行った(基生研共同利用による重信博士らとの共同研究)。サンプルには、前蛹初期の雄および雌から解剖摘出した頭部および前胸部のツノ原基形成部位を用いた。Illumina HiSeq 2000を用いたシーケンシングにより得た約447.8百万リードをde novoアセンブルした結果、およそ12.7万の非冗長的なコンティグを得ることができた。得られたコンティグの約70%はゲノムが解読された昆虫の中で最もカブトムシに近縁な鞘翅目昆虫コクヌストモドキ(Tribolium castaneum)と高い相同性を示したことから、構築されたコンティグは信頼性が高いと考えられた。門田博士の協力のもと、このコンティグに対して各サンプルにおけるリード数をカウントし比較した結果、雌雄の頭部および胸部の各角特異的に発現するシグナル伝達分子や転写因子などを同定した。角形成遺伝子ネットワークを解明するため、ツノ形成の上位遺伝子であることが判明したdoublesex(dsx)遺伝子のRNAi処理個体についても同様の網羅的な比較トランスクリプトーム解析を方法開発班の支援のもとに進めている。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 2011
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (10件) (うち招待講演 2件)
EMBO Reports
巻: (印刷中) 号: 6 ページ: 561-567
10.1038/embor.2013.50