配分額 *注記 |
21,320千円 (直接経費: 16,400千円、間接経費: 4,920千円)
2012年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
2011年度: 10,660千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 2,460千円)
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研究実績の概要 |
共生を理解するためには, 共生の成り立ち, 保持, 崩壊のメカニズムを理解する必要がある。これらを理解する上でまた海洋環境系を考える上で, サンゴやシャコガイなどに共生する褐虫藻を含む渦鞭毛藻類は重要な生物である。褐虫藻は長い間同一種と考えられてきたが, 最近の分子系統学的研究により, 現在ではクレードAからIまでの9つに分けられている。サンゴを含め褐虫藻と共生する無脊椎動物の約85%は毎世代新たに外界より褐虫藻を取り込む。また, サンゴの種によっては2種類以上のクレードの異なった褐虫藻を取り込むことも知られている。このような複雑な褐虫藻の共生の際の振る舞いを理解するには, 褐虫藻ゲノムの比較解析が必須である。私たちは現在知られている渦鞭毛藻類の中でゲノムサイズが最も小さく, 単離培養の成功している褐虫藻Symbiodinium minutumクレードB1のゲノム(1,500Mb)解読に取り組んだ。さらに, 沖縄の海に生息する2種の褐虫藻類のゲノム(クレードAとクレードC)を次世代シーケンサーにより解読し, クレードBゲノムとの比較解析を目指した。クレードBのドラフトゲノム配列(約616 Mbp)から, 約42,000の遺伝子モデルセットを得た。遺伝子はイントロンリッチ(遺伝子あたり平均18.6)であり, 5’スプライス部位のコンセンサス配列としてGTの他にGC, GAがみつかった。核タンパク質をコードする遺伝子群には原核生物と真核生物の両方のタイプが含まれていた。多くの隣接する遺伝子が同じDNA鎖上にコードされていた。またクレードAのゲノム(2,200Mb)をシーケンシングし, 約50Xカバーレージのデータのアセンブルから, 約700Mbのドラフトゲノム配列を得た。さらにクレードCのゲノム(2,700Mb)をシーケンシングし, 約70Xカバーレージのデータを得た。
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