公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
新規の家族性パーキンソン病原因遺伝子を単離するため、常染色体優性遺伝性パーキンソン病家系 (以下家系1) について解析を実施した。ゲノムワイドSNPsチップをもちいた連鎖解析を行った結果、候補領域を18カ所, 合計198Mbの範囲に絞り込むことに成功した。次に次世代シークエンサーをもちいた高速シークエンスを行った。発症者3名について全エクソン解析 (エクソーム解析)、1名について全ゲノム解析を実施した結果、4検体から合計約370万の遺伝子多型を検出した。この遺伝子多型から以下の方法で候補遺伝子多型を絞り込んだ。 (1) 先に述べた候補領域に存在している: 約19万5千→ (2) dbSNPに登録のない新規遺伝子多型: 約3万8千→ (3) エクソンまたはスプライス部位に存在している: 973→ (4) 解析した4名において共通または優性遺伝性に矛盾がない: 299→ (5)アミノ酸置換またはスプライス異常が予想される: 10、以上により最終的に10種類の遺伝子多型が候補として残った。この候補について家系1の発症者および健常兄弟のゲノムDNAをもちいてサンガー法で検証した結果、9種は変異が確認されず、否定された。唯一残った遺伝子多型はスレオニン (T) がイソロイシイン (I) に置換するミスセンス変異であり、エクソームおよび全ゲノム解析共にヘテロ接合体変異として検出されていた。この変異は家系1において疾患との共分離が確認され、非血縁健常者524名から検出されなかった。さらに優性遺伝性パーキンソン病家系約400家系について候補遺伝子全エクソンのシークエンス解析行った結果、家系1とは別のミスセンス変異 (R→Q) を検出した (家系2)。このミスセンス変異についても非血縁健常者519名から検出されなかった。以上の結果より、新規家族性パーキンソン病原因遺伝子の単離に成功した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 2011
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 9件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件)
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