公募研究
新学術領域研究(研究領域提案型)
本年度は、ヒト乳がん幹細胞に特徴的な細胞表面蛋白質の検索とそれらの蛋白質の発現制御へのマイクロRNAの関与の検討、ヒト乳がん細胞のin vitro培養、および細胞表面タンパク質の発現に基づいて分画した乳がん細胞の腫瘍増殖能の解析を行うため以下の研究を計画し実施した。(1) ヒト乳がん異種移植マウスの作成と肺転移巣の検索:ヒト乳がん異種移植マウスを作成するため、同意の得られた70症例以上の乳がん患者の手術検体を収集し、マウスの乳腺領域に移植した。腫瘍が定着したものに関しては、組織の保存、継代、および解析を行った。腫瘍を継代した3例のヒト乳がん異種移植マウスの各臓器を組織染色にて解析し、肺をはじめとした転移巣を同定した。さらにこれらの転移がん細胞をセルソーターにて効率よく分離する手法を確立した。(2) がん幹細胞に特異的な細胞表面蛋白質の検索および機能解析:がん幹細胞に特徴的に発現がみられるマイクロRNAを指標にして、細胞表面蛋白質候補の検索を行った。これらのマイクロRNAの一つであるmiR-199は、蛋白質の翻訳後修飾に関わる糖鎖転移酵素を標的として細胞表面蛋白質ネクチン様分子の発現を制御することを明らかにした。また、ヒト乳がん細胞をその形質を保ったまま安定して培養できるin vitro培養系を樹立した。(3)マウス異種移植ヒト乳がん組織における細胞表面蛋白質の発現の解析:マウスに異種移植したヒト乳がん組織の細胞を用いて、単細胞レベルでニッチ関連細胞表面蛋白質の遺伝子発現解析を行い、がん幹細胞の機能を特徴づける細胞表面蛋白質を同定した。(4)細胞表面蛋白質の発現に基づいて分画した乳がん細胞の腫瘍増殖能の解析:細胞表面蛋白質の発現に基づいてヒト乳がん細胞を分画し、免疫不全マウスに移植して、腫瘍形成能を比較検討した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (6件)
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