研究領域 | ゲノム複製・修復・転写のカップリングと普遍的なクロマチン構造変換機構 |
研究課題/領域番号 |
23131509
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
菅澤 薫 神戸大学, 自然科学系先端融合研究環・バイオシグナル研究センター, 教授 (70202124)
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研究期間 (年度) |
2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2011年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
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キーワード | ヌクレオチド除去修復 / 色素性乾皮症 / DNA損傷認識 / クロマチン / ヒストン修飾 / 一分子イメージング |
研究概要 |
ゲノム全体を対象とするヌクレオチド除去修復(GG-NER)反応開始の場を構成するクロマチン因子を同定するため、FLAG-XPCを安定発現する細胞株に紫外線を照射し、抗FLAG抗体を用いたクロマチン免疫沈降(ChIP)の系を検討した。紫外線照射後(6-4)光産物の修復がほぼ完了する5時間までの間に特異的にXPAやXPBタンパク質の共沈降が見られたことから、ChIPが期待通りに機能していることが確かめられた。一方、HA-DDB2に対するChlPではXPCの共沈降は見られたもののXPAやXPBは検出されず、XPCがリクルートされた後、比較的速やかにDDB2が損傷部位から解離している可能性が示唆された。またヒストンのさまざまな修飾を特異的に検出するモノクローナル抗体を用いて、紫外線照射後に細胞内で特異的に増加、あるいは減少するヒストン修飾の網羅的なスクリーニングを行い、いくつかの候補を得た。現在、FLAG-XPCやHA-DDB2を標的としたChIPにより、これらの修飾ヒストンやその修飾に関わる酵素が紫外線照射依存的に共沈降するかどうか検討している。一方、XPCがDNA損傷の存在をどのようにサーチして結合するのか、その分子動態を理解する目的で一分子イメージング系の構築を進めた。末端をビオチン化した1ファージDNAを基板上に固定化したタイトロープ・アッセイにより、量子ドット標識したXPCタンパク質の動態観察を試みつつ、タンパク質の標識法、反応液組成、DNAへの損傷導入など、さまざまな実験条件の至適化を進めているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際に研究を実施できたのは短期間であったが、損傷認識因子XPCやDDB2を標的としたChIPの系が立ち上がったこと、DNA損傷に応答したヒストン修飾の候補が得られたこと、損傷DNAと蛍光標識XPCを用いた一分子イメージング系の構築へ向けて条件検討を開始したことなどを勘案し、全体としておおむね順調に研究を進められたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題のうち、DNA修復に伴うヒストン修飾やクロマチン構造変換機構の解析、およびDNA損傷認識因子のゲノムワイドな動態解析に関する部分は、新たに採択された新学術領域研究「転写代謝システム」の計画研究課題「ゲノム配列情報とエピゲノム情報の維持・変異のクロスレギュレーション」において引き続き研究を進める予定である。また損傷認識因子の一分子イメージングに関しては、その内容を含む基盤研究を新規に申請する予定であり、それが採択されればその中で実施していきたいと考えている。
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